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「♪♬♬〜♫ .... ♩〜♬」



うん、やっぱり落ち着く



小さい頃から聞いていたピアノの音



しっかりと磨かれたモノクロの鍵盤に触れると



昼間の暑さが指先から抜けて行く様な気がした



「…ん?」



これは、Aの匂いだねぇ



古くさくて清潔な石鹸の匂い



なぜか、この匂いを嗅ぐと昔のま〜くんとの記憶を思い出すから



俺にとっては心地良い



「おーい、隠れてないで出て来なよ?」



「ぐ」



教室の窓からちらりと見える黒髪が跳ねる



「A、おいーっす
廊下で盗み聞きなんて趣味悪いなぁ」



「ぅ、そんなつもりじゃなかったけど、ごめん
…上手いんだね、ピアノ、綺麗だった」



「昔から弾いてるからねぇ、慣れてるだけ…」



…あ



めまい



「凛月っ!」



さっきまで入り口に立ってたはずなのに



よく受け止めたね



Aが俺の肩を支えてた



「ん…少し日差しを浴び過ぎたかな
体育あったし」



「参加してたんだ
ごめん、気付かなかった」



「Aが謝ることじゃないでしょ」



「でも、そういう無理、しないでよ」



「昼寝したら元気有り余ってたんだよ
今日は大丈夫かなーって、調子乗ったかも」



ふふ、眉間にシワが寄ってる、変なしかめっ面♪



心配してる時の顔



眠そうに瞼が落ちてるのも眉をひそめてるのもいつも通りだけど



絶対笑ってた方が可愛いのにねぇ



「俺は無茶して周りが見えなくなる様な頑張り屋のお馬鹿さんとは違うから♪
…大丈夫だよ」



Aの体質の方がよっぽど重要だっての



「って言うか、音楽室の横通るなんて俺に何か用があったんじゃないの?
まあ、どうでもいいけど」



「用事ってか、あのね…
放課後にKnightsのレッスンあるんですけど?」



「え、何それ聞いてないし」



「言ったよ」



「聞いてない物は聞いてな〜い」



「あー、うん、凛月半分寝てた感じだったしなぁ
『…うん、分かった分かった……』
って一応言ってたけど」



「…記憶にぼんやりある気がするけど、覚えてないからノーカンだもん」



「はいはい」



「じゃ、疲れたから肩貸して
スタジオ行く」



「…自分で歩いたら」



「さっきA、無理はするなって言ったじゃん
年寄りをもっと労って欲しいなあ…?
おんぶしてって言われないだけでもラッキーだと思ってよねぇ」



「へーへー」



断れば良いのに



お人好しだよねぇ



「うんうん、良い子良い子〜♪」

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amazura(プロフ) - 励みになるアドバイス・感想有難うございます!書いてるのはただの女学生で専門的な知識に乏しいので助かります。中々更新出来ない事が多いですが、完結目指して頑張ります。 (2016年5月29日 9時) (レス) id: ab55123691 (このIDを非表示/違反報告)
真琴(プロフ) - あと、ナルコレプシーは笑ったり驚いたりすると全身の力が抜ける情動脱力発作、睡眠麻痺なども起こります。知ってたらごめんなさい! (2016年5月29日 8時) (レス) id: aa760ace42 (このIDを非表示/違反報告)
真琴(プロフ) - 僕はナルコレプシーだけど、不快になることはないです!読みやすくて見てて楽しいです!!これからも更新頑張ってください!! (2016年5月29日 8時) (レス) id: aa760ace42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amazura | 作成日時:2016年5月29日 8時

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