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先輩とクラスメート ページ24

「恋雪〜、梅〜、購買行かな…って恋雪は?」
「未来の旦那様にお弁当届けに行ったわよ」
「そっか〜、梅は?購買行かない?」
「提出物出しに行かなきゃいけないから無理」
「え〜、仕方ない…1人で行くか…」

「よ、ぼっちじゃん」
「そっちこそひとりじゃん」
購買でパンを物色していると、有一郎くんに会った。
「珍しいじゃんひとりで」
「まーね。そっちこそ珍しいね」
「今日は弟が弁当いらなかったから作らなかったんだよ」
「無一郎くん?」
「そう…って何で知ってんだよ!?」
「こないだたまたま会ったの。あんま似てないね」
「は?…そんなこと言う奴初めてだわ」
「そうかなぁ…似てないと思うんだけど…」

「あ、Aちゃん」
「あ!カナヲ先輩!こんにちは!」
購買からの帰り道、今度はカナヲ先輩にあった。

『ね、Aちゃんって呼んでもいい?私のことも名前で呼んでいいから』
『え?も、もちろんです!』

帰りに偶然会ったあの日にそんなやりとりを交わしてから、先輩とはすっかり仲良くなった。

先輩と話していると、あの優しい声が聞こえてきた。
「あれ〜、Aちゃんじゃん!カナヲちゃんもいるし…って、無一郎!?」
にこやかに手を振っていた我妻先輩が、私の隣で待っていてくれた有一郎くんを指さし、叫ぶ。
「違いますけど…俺、無一郎の双子の兄です」
「あ、そう言えばお兄さんいたな…ごめんごめん叫んじゃって!」
「いえ、どういう関係かは分かりませんが、弟の知り合いですよね。弟がお世話になってます」
「えっいやいや!」
「有一郎くんは我妻先輩と知り合いじゃないの?」
「…我妻先輩?」
「あ、俺、我妻善逸。えーと、時透有一郎くんだよね?」
「はい。もしかして、剣道の…」
「ああそうそう!」
「道理で…俺は剣道やってないんだよ。だからアイツの剣道の知り合いとかは知らない」
「なるほど…」
「…我妻先輩でしたっけ。コイツからよく話聞いてます」
「え!?私そんな話してる?!」
そんな私の疑問は完全スルーして、有一郎くんはにこっと笑った。
「コイツいろいろと抜けてるからご迷惑おかけしてません?」
「そんなそんな、迷惑とか全く無いよ」
「なら良かったです。いつも弟とAがお世話になってます」

いつもちょっとだけ意地悪な、でも根は優しい有一郎くんなのに、
今の笑顔は少しだけ、棘が含まれてたみたいに見えた。

「……うん」
我妻先輩も、少しだけ険しい表情になる。

なんだろ、ちょっとだけ、怖いな……

今年最大のやらかし〜有一郎視点〜→←ジェラシーってやつだね


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  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆


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作者名:merry | 作成日時:2020年11月29日 21時

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