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泡沫の月下美人(ゆかゆゆ←妖夢) ページ8

「はい?ははほんあほほきひひてうほ?(何?まだそんなこと気にしてるの?」


口に蕨餅を頬張りながら、聞こえていたのか幽々子は尋ねる


「えっ!?」


紫は彼女らしからぬ仕草で動揺を見せる。


「あっ、紫の唾液って甘いわよね〜♪一口貰うわね〜」


そして、不意に紫に口づけする。


「っっっっっ!?!?」


声にならない叫びをあげ、紫は頬を赤く染める。


それには、妖夢も遂に声を出す


「あ、あわわわ!!幽々子様っ!?!?」


「って言うのは建前で、本当は紫の反応が見たかったから♪」


無邪気に笑う幽々子に、紫は肩をわなわなと震わせる


「私を本気にしたわね...?またそうやって私をからかって...最近どうしたのよ。もう私、理性を保つのもキツいのよ?」


「うふふっ♪紫かーわい♪そういうところが好きなのよ♪」


「え......?」


好き。それは妖夢にとって愛しい言葉でもあり、嫌いな言葉でもある。


この場合は嫌い。


「え、もしかしてお二人って...」


「あれ、妖夢に言っていなかったっけ?私たち、もう愛を誓い合ってるのよ?」


「幽々子っ!!そんないいかたしたら結婚式みたいじゃない!」


「別にいいでしょ、紫♪」


「そう...ですか...お幸せにッ!!!」


気がつくと妖夢は泣き、走り出していた。


抑えきれないこの恋情を涙と言う形にして


瞳から溢れ溢れ溢れ......


「ああそっか...私、失恋しちゃったんだ」














考えてみれば、主に恋をするなんて私はどれだけ馬鹿なのだろう。


叶わないってわかってるのに。


どこかで読んだ本のように、私は優しくはないから。純粋じゃないから。


________________________ごめんなさい、夢を見てしまって。


でも、私の本当の想いは。


満ちた丸い月にお祈りする。


あの人と...幽々子様と。。




儚い儚い恋でした。


私の思いよ、永遠に。


何時までも...何時までも お二人が幸せでいられますように。


主の幸せが従者の幸せだから。


今日も私は嘘をつく。


「おかえりなさいませ。夕食の支度が出来ていますよ」


好きです。大好きです。私の愛しい人......


ああ、私は最低な従者です。






一人の半霊が流した涙を水として泡沫の月光美人は静かに咲いた。あの少女の秘めた恋情はきっと誰にも負けないものだった。 今宵咲いたこの月光美人はどの花よりも儚く静かで。そして、美しかった。





そしてまた、想いはすれ違う...


「ああ、妖夢......」

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設定タグ:東方project , 百合   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:葉月*ゆきうさぎ | 作成日時:2018年4月18日 20時

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