泡沫の月下美人(ゆかゆゆ←妖夢) ページ6
サボテン科、クジャクサボテン科の月下美人。この花は、一年に一度、新月か満月の日にしか咲かないと言う。
花言葉は、儚い恋・秘めた情熱。
〜泡沫、すなわち儚い。泡沫の月下美人が意味するは儚い儚い恋。この恋情は何時までも胸にしまっておく。ありがとう、私が想い続けた人。ありがとう、片想い。そう言って笑えたら、どんなに幸せか〜
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秋が近づいた、夏の冥界。庭師の魂魄妖夢は、散り始めた葉を掃いている。
「今日も精が出るわね〜妖夢〜?」
風も吹かぬ静かな地に、主のふんわりとした可愛らしい声が響く。
西行寺幽々子。
生前は富士見の娘、と呼ばれ西行妖の下で自害する。彼女によってその桜は封印され、1000年後亡霊となった彼女が自らを甦らせ、封印を解こうとする。
今考えれば、恐ろしい話だ。もしその反魂の術が成功していたら、彼女はこの世に居ないのだろう。
そのようなことも知らず、幽々子は飄々とした態度で従者にお茶を勧める
「あんまり働いていると、体によくないわよ〜?一緒に上がって、お茶でも飲みましょう♪」
妖夢はその様子に呆れはするが、悪い気はしなかった。
僅かな休息の時間でもあるが...なにより、忠誠を誓った主と、密かに恋心を抱いている主と友達のようにお茶を濁すことなど、この上ない喜びであった。
さて、ところ変わってお茶の間・・・
「幽々子様、今日は何かご予定は??」
「そうねぇ、今日は紫と美味しいスイーツを食べに行くの♪」
「今日"は"って...またですか!?昨日も一昨日も行きましたよね!?」
ここ数日、幽々子はずっと紫と出掛けている。従者としては膨大な食事を用意しなくて済むが、彼女を愛する者としては寂しさが募る。
「...むぅ...」
「あら、妖夢も一緒に行きたいの?」
そんな気持ちを見透かしたのか、幽々子は尋ねる。...彼女の純粋な瞳を見ていると、見透かしているとは到底思えないが。。
「行きたいなら、連れてってあげてもいいわよ♪紫も喜ぶと思うわ」
刹那、妖夢の顔はパアァァァと効果音が付きそうなほど笑みが溢れた。
「さあ、行きましょうか。もうじき紫も、待ちすぎて藻塩になっているはずだわ」
クスッと笑い、幽々子は妖夢の手をとった。
そして、音もなく空へと舞い上がる。
__________互いに何も言わぬけれど、寧ろ二人はこっちの方が心地よかった
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作者名:葉月*ゆきうさぎ | 作成日時:2018年4月18日 20時