・・2・・ ページ9
「朝起きたら生えてた、なんて云ったところで貴方は信じないでしょう」
「当たり前だ」
「ねぇねぇAちゃん、私的にはね、犬より猫の方が良いと思うのだよねぇ〜」
眉間に皺を寄せている私と芥川さんをスルーし、太宰さんは続ける。
「だってほら、猫だったらにゃ〜とか鳴いて、可愛いじゃない?犬なんてキャンキャン吠えるだけで煩い事この上ないのだよ?」
「あ、そっすか…」
呆れた目をする私の横で、芥川さんは何故かしきりに頷いていた。
「だけどね、犬なんだったら仕方ないし、やっぱりさっきの…」
そこまで云って、太宰さんは私の腕をガシッと掴み___。
一寸待て待て待て。
何処へ連れていく、確かそっちは裏路地で…。
後ろからついてきた芥川さんも何か察したのか、もう片方の腕を掴んで、逆方向に引っ張った。
「幾ら太宰さんと云えども、僕にだって譲れないもの位…!」
「うふふ、なら仕方が無いねぇ、一緒にしようか?」
すると芥川さんは力を緩め。
「…!はい、それなら…」
「あの、ちょ、何話してっうぁ!」
状況を察せない私を壁に押し付け、太宰さんは犬耳を撫でた。
自分から出た声とは思えない位甘い声に、顔が赤くなる。
「うふふ、良いねぇそのカオ。もっともっと躾たくなるじゃないか」
「は、躾!?…んっ!」
そして横からは芥川くんが太股を撫でてきて。
「僕は犬は嫌いだが__犬は躾をするのが当然なのでな」
「私はね、良い案だと思ったものは直ぐに実行する主義なのだよ。だからこれから、Aちゃんを『私好みの可愛い可愛いわんちゃん』にしてあげよう」
妖しく目を細めた太宰さん、それから、色っぽく薄笑いをする芥川さんからは、私はもう逃げられなくなっていた。
.....
四季関係無いのもたまにはいいですね(遠い目)
雑ですがね(更に遠い目)
冬の君【江戸川乱歩】→←犬【太宰治】【芥川龍之介】(作者の趣味です季節関係無いです)
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:龍胆ツクシ | 作成日時:2017年4月13日 16時