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「朝起きたら生えてた、なんて云ったところで貴方は信じないでしょう」

「当たり前だ」

「ねぇねぇAちゃん、私的にはね、犬より猫の方が良いと思うのだよねぇ〜」



眉間に皺を寄せている私と芥川さんをスルーし、太宰さんは続ける。



「だってほら、猫だったらにゃ〜とか鳴いて、可愛いじゃない?犬なんてキャンキャン吠えるだけで煩い事この上ないのだよ?」

「あ、そっすか…」



呆れた目をする私の横で、芥川さんは何故かしきりに頷いていた。



「だけどね、犬なんだったら仕方ないし、やっぱりさっきの…」


そこまで云って、太宰さんは私の腕をガシッと掴み___。





一寸待て待て待て。


何処へ連れていく、確かそっちは裏路地で…。


後ろからついてきた芥川さんも何か察したのか、もう片方の腕を掴んで、逆方向に引っ張った。



「幾ら太宰さんと云えども、僕にだって譲れないもの位…!」

「うふふ、なら仕方が無いねぇ、一緒にしようか?」


すると芥川さんは力を緩め。


「…!はい、それなら…」


「あの、ちょ、何話してっうぁ!」



状況を察せない私を壁に押し付け、太宰さんは犬耳を撫でた。
自分から出た声とは思えない位甘い声に、顔が赤くなる。


「うふふ、良いねぇそのカオ。もっともっと躾たくなるじゃないか」

「は、躾!?…んっ!」


そして横からは芥川くんが太股を撫でてきて。


「僕は犬は嫌いだが__犬は躾をするのが当然なのでな」

「私はね、良い案だと思ったものは直ぐに実行する主義なのだよ。だからこれから、Aちゃんを『私好みの可愛い可愛いわんちゃん』にしてあげよう」



妖しく目を細めた太宰さん、それから、色っぽく薄笑いをする芥川さんからは、私はもう逃げられなくなっていた。





.....

四季関係無いのもたまにはいいですね(遠い目)
雑ですがね(更に遠い目)

冬の君【江戸川乱歩】→←犬【太宰治】【芥川龍之介】(作者の趣味です季節関係無いです)



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作者名:龍胆ツクシ | 作成日時:2017年4月13日 16時

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