番外編[桜と月の下で��] (※3000,4000hit記念) ページ9
「もちろん！！！ って言っても僕はあんまり筋力値高くないから、お役に立てるかわからないけど……」
「だ、大丈夫ですよ！ そんな全部持たせたりなんてしませんから！！！」
「俺らはどうするよ？ エギルの旦那」
「花見っていやぁ酒だろう。調達して来ないとな」
「よっしゃ！ そしたらもう店の在庫を買い占める勢いで──」
「にゃはは、程々にしとかないト、後で泣きを見る羽目になるゾ？」
かつてないほど盛り上がる集団に恐る恐る声をかける。
「あのー、それでいくと、俺とAは何をすれば？」
「…………」
隣でAもこくりと頷く。
そんな俺たちを全員が見て──────
「決まってるじゃない。あんた達は、“場所取り”よ！！！」
なかでも一番イイ笑顔を浮かべたリズベットが、ずびしいぃっっとこちらを指差して言った(良い子の皆さんは人を指差しちゃいけませんよ、と頭のなかで声がした)。
＊
そんなわけで。
俺とAは一足先に“桜の園”とやらに行き、受付NPCからレジャーシート(こんなのまであるのかよ！？ と思わず叫んだ)を貰って広げ、二人並んでちょこんと座って場所取りをしていた。
現在時刻、19時30分。
すでに辺りは暗い。しかし、周囲の桜は仄かに燐光を発しているので視界確保には困らない(現実世界でいうライトアップされてる感じと言えば分かりやすいだろうか)。
「綺麗だな。幻想的ってやつか」
「……まさかキリトからそんな言葉が出るとは」
「どういう意味だよ、A！？」
「……さぁね」
くすくすとAが笑う。
気のせいか雰囲気が柔らかい。
何時だったか彼女自身が言っていた。……おそらくβの時に。
『……夜は、いろんなモノを隠してくれるから好きなの。暗闇のせいで見え難くなるからだと思うんだけど、少しだけ、“本当”を出せるんだ』
「ここがゲームの世界だなんて忘れそうになるな。この樹だって本当に桜みたいだし、お花見もできるし、気心知れた仲間とずっとこうしてるっていうのも────」
良いかもな、と言いかけて慌てて口を閉じる。
これではずっとSAOに居たいと思っているみたいだ。ここは異常な非日常で、脱出しなければならない牢獄なのに。
てっきり、Aは怒ると思ったのだが。
「……そうだね。ずっと、こうしていられたら幸せだね」
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です！！もう更新してくれないのでしょうか？続き楽しみに待ってます！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます！！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…！前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年4月9日 16時
