番外編[桜と月の下で��] (※3000,4000hit記念) ページ11
みんながカップを掲げ、わいわいと宴会が始まる。
「「くぅ〜、やっぱ酒は最高だ！！！」」
「これだから酔いどれ共は……あ、アスナ。それ取って？」
「はい、どうぞ。キリトくんも何かいる？」
「んじゃそこの肉をもらおっかな」
「Aさん、場所取りの間、寒くなかったですか？」「ピュイ？」
「……大丈夫。本当に天候もいい感じに設定されてるみたいで、寒くもないし、虫もいないみたいだよ」
「虫……」
「ん？ ユリエール、どうしたんだい？？」
「い、いえっ、なんでも」
なぜか気合いが入ってるアスナに料理を取り分けてもらいながら、少し離れたところでかたまるAたちに視線をやる。
……焦ったユリエールが空咳で何かを誤魔化そうとしていて、それを見たみんなが、
Aが。
(────────っ)
穏やかに笑っていた。
楽しげで、心からの。年相応の笑み。
…………なぜだか胸が、きゅうっと締めつけられる。
と、そこに顔を真っ赤にした(もう酔ってるのか)エギルとクラインが割り込み。
カップを掲げて盛り上げようとしているらしいクラインがAの肩に腕を回して────
「おいおイ、キー坊。顔が恐いゾ？ ついでにそのままだとカップがお陀仏ダナ」
「………………っ」
いつの間にか傍に来ていたアルゴに笑いながら指摘される。
はっと気づけば確かに、カップが不吉な音を上げていた。
「悪い…………」
「Aを見てたんダロウ？」
言い当てられて、息を飲む。
実際いまもアルゴと会話をしながら眼はそっちに釘付けだった(クラインは、慌ててそっちに合流したリズベットに引き剥がされ、アスナに成敗されている)。
「いやその……」
「あぁ、答えなくてイイ。これからオレっちが言うことにモ、返事はいらナイ。人生の先輩かラ、ちょっとしたおせっかいダ」
「なぁ、キー坊。いま何を思っタ？」
そう言ったアルゴはなぜか悲しそうだった。
……それがオレの胸に、不吉な滲みをつくる。
「Aを見テ、何を思ってタ？ ……もしそこに一欠片でも特別な想いがあるなラ、忠告するゾ」
「………………」
「決しテ、Aの手を離すナ」
繋ぎとめろ。その心を。
でないと──────────
Aは、自分自身すら捨てて。
……………………“遠く”へ行ってしまうぞ。
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moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2020年12月16日 20時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 15-4〜16-7までの流れが、主人公の葛藤と矛盾が鮮明に描かれていて心に刺さりました。この作品面白いので更新頑張ってください。応援させていただきます。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 10e431e9a6 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - シリアス大好きです。この二人がこのあとどうなるのか気になります。更新お忙しいと思いますが、頑張ってください。楽しみにしてます。 (2018年11月6日 21時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
コトノハ - この作品、私のどストライクな作品です！！もう更新してくれないのでしょうか？続き楽しみに待ってます！ (2018年10月28日 14時) (レス) id: 611c145fdc (このIDを非表示/違反報告)
Kizuna(プロフ) - アリスさん、コメントありがとうございます！！！ヘ(≧▽≦ヘ)♪ そう言って頂けるととても嬉しいです…！前回更新からだいぶ長いこと時間があいてしまいましたが、またちょこちょこ書いていきますので、よろしくお願いします(*≧∀≦*) (2018年1月19日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年4月9日 16時
