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「せやから、そいつらに土下座さして貯め込んだ金やアイテムをこん作戦のために軒並み吐き出してもらわな、パーティーメンバーとして命は預けられんし預かれんと、わいはそう言うとるんや!!!」

最後はほとんど叫びに近く、長い長い糾弾を終えたキバオウは肩で息をする。
対するエギルは眉ひとつ動かさない。

「あんたはそう言うが。金やアイテムはともかく、情報はあったと思うぞ」

これだ、と取り出したのは冊子だった。
表紙に丸い耳と左右三本ずつのヒゲを図案化した《鼠マーク》。

「このガイドブック、あんただって貰っただろう。ホルンカやメダイの道具屋で無料配布してるんだからな」
「────貰たで。それがなんや」
「このガイドは、俺が新しい村や町に着くと、必ず道具屋に置いてあった。あんたもそうだったろ。情報が早すぎる、とは思わなかったのかい」
「せやから、早かったらなんやっちゅうんや!」
「こいつに載ってるモンスターやマップのデータを情報屋に提供したのは、元βテスターたち以外には有り得ないってことだ」

プレイヤーたちが、一斉にざわめいた。
キバオウがぐっと口を閉じ、その背後でディアベルがなるほどとばかりに頷く。

エギルは視線を集団に向けて良く通るバリトンを張り上げる。

「いいか、情報はあったんだ。なのにたくさんのプレイヤーが死んだのは、彼らがベテランのMMOプレイヤーだったからだと俺は考えている。このSAOを、他のタイトルと同じ物差しではかり、引くべきポイントを見誤った。だが今は、その責任を追及してる場合じゃないだろう。……俺たち自身が“そう”なるかどうか、それがこの会議で左右されると俺は思っているんだがな」


……空気が、変わった。

理路整然と、そして堂々と説くエギルに、聴衆が共感するのがわかる。
それでもキバオウは憎々しげに巨漢を睨めつけていたが、咳払いをして注目を促したディアベルが爽やかに終止符を打った。

「キバオウさん、君の言うことも理解はできるよ。オレだって右も左も解らないフィールドを、何度も死にそうになりながらここまで辿り着いたわけだからさ。でも、そこのエギルさんの言うとおり、今は前を見るべき時だろ? 元βテスターだって……いや、元テスターだからこそ、その戦力はボス攻略のために必要なものなんだ。彼らを排除して、結果攻略が失敗したら、何の意味もないじゃないか」

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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時

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