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一度言葉を切り、ディアベルはじっと成り行きを見守る広場のプレイヤーたちをぐるりと見渡す。
「みんなも、それぞれ思うところはあるだろうけど、今だけはこの第一層を突破するために力をあわせて欲しい。どうしても元βテスターとは一緒に戦えない、って人は、残念だけど抜けてくれて構わないよ。ボス戦では、チームワークが何より大事だからさ」
誰も動かなかった。
ここから去るものもいなければ、ひとりずつ眼を合わせるディアベルの視線から逃げるものもいない。
最後に、青の騎士(ナイト)は、キバオウを真顔でじっと見つめた。
「……………………ええわ、ここはあんさんに従うといたる。でもな、ボス戦が終わったら、きっちり白黒つけさせてもらうで」
押し殺すような声でそう言うと、キバオウは集団の前列まで引っ込んでいった。
斧使いエギルも、これ以上主張するべきは何もないというように両手を広げ、元居た場所へと下がる。
「………………」
…………隣で、キリトがゆるゆると息を吐き出す。張り詰めた緊張も一緒に霧散させるように。
私も同じ気持ちだったが、小狡く沈黙を貫いて、会議がボス攻略への意気込みを上げるための雄叫びで締めくくられるのを見守った。
「それじゃ、とりあえず今後の方針としては、ボス扉を発見次第、偵察隊を編成して派遣。何回か様子を探ったら本番決行といこう。以上、────」
解散、の声が響く前に。
女性フェンサーが身を翻して離れていく気配がした。去り際に、キリトに何事か囁く。
……彼女が去った後、私は、いつまでもその方角を見つめ続けるキリトの袖を引っ張った。
「行こう。……宿、なくなっちゃう」
「あ、ああ、そうだな」
ビクッとして、こっちを見て、それからはにかむように笑う。
(……馬鹿。“助かった”って顔に書いてあるよ)
彼女が何を言ったのか、気にならないわけじゃない。だけど嫌われたくないから口を閉ざすだけだ。
……そんな自分が嫌で。
でも、それでも行動を改めない私はどうしようもなく卑怯だ。
「明日から迷宮区のマッピングか。しばらくはこの町から離れられないなー」
「……雌牛クエ、もっとやっておけば良かったって思ってるんでしょ」
「な、なんでわかるんだ！？」
「……キリトの頭は、基本的に食べ物のことばかりだから」
「なっ────」
絶句するキリトを見て小さく笑う。
……ズキズキ痛む心を隠して、キミにとって“気の合う友人”の振りをしながら。
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Kizuna(プロフ) - わあああすみません！！！ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (
レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kizuna | 作成日時：2017年3月3日 20時
