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番外編2 (side.K) ページ22

Aの様子がおかしい。

いや、そんな深刻なものでもないけれど、ソワソワと落ち着かないのだ。
どこかに行きたそうなのがまるわかりだが、俺に切り出す様子がないところを見ると、どうやら内緒にしたいらしい。

……気になる。ものすごーく、気になる。

(いやいやだって考えてもみろよ。俺たち初日から一緒なんだぜ? だから隠し事なんてされたことないし、そもそもできないし)

基本的に別行動などしないから、そんなものが入り込む余地がないのだ。
さすがに夜は別の部屋だけど(初日以外)、昼間はほぼともに行動している。

そんなAが、俺に内緒で出かけようとしている。

(ま、まさか──────!!?)


「……じゃあ、キリト。私の部屋はこっちだから」
「お、おお、また明日な〜」

我ながら挙動不審だと思う挨拶にも、Aは突っ込みを入れない。
訝しげに眉をひそめたものの、追及する時間も惜しいと判断したのか、そそくさと宛がわれた部屋に入っていく。

……その背を見送った俺は、ぐっと拳を握りしめて、ひとつの決意を固めた。



(どこに行くんだ……?)

視線の先、フードを目深にかぶった小柄な人物──Aがちょこちょこと人波をぬって歩いていく。
その後ろをバレないように隠蔽スキルを使って着いていく俺。はやい話が尾行である。

きっとこのスキルを作った奴は草葉の陰で泣いているだろう……としみじみしつつ、やめる気はない俺はひたすらAを追っかけた。

そして、辿り着いたのは。


「お待たせしましたー! 今から、数量限定&食べたら病みつき!? ……な、当店オリジナルクッキーを販売いたしますー!!!」


やたらとテンションの高い少女NPCが売り子をする、露店だった。
前にこの辺りを通った時には何もなかったはずだから、期間限定で出現するのだろうか。
……しかし、残念ながら、可愛らしい呼び声虚しく、辺りは閑散としている。
おそらくこんな販売があることなどほとんどのプレイヤーが知らないのだろう。

そんな中、いそいそとお店に近寄るA。
しかも誰も並んでいないのをいいことに、一気に全部を買い占めたらしい。

「ありがとうございましたー! 本日はこれにて終了でーす!!」

現れた時と同じように、やたらとテンション高く売り子NPCが宣言して店もろとも消える。

大きめの紙袋を抱え、にこにこしながら振り返ったAは……呆然と立ち尽くす俺の姿に気づいて飛び上がった。

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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時

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