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纏まりかけていた場を、無遠慮に引き裂く声がした。

人垣が割れて小柄なサボテン頭の男が出てくる。

「わいは《キバオウ》ってもんや。こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこなんてでけへん」

彼が広場にいる全プレイヤーを睥睨する。
……嫌な予感がした。そしてそれは、彼の次の言葉で的中してしまう。

「こんなかに今まで死んでった二千人にワビぃ入れなあかん奴らがおるはずや。……情報もなんもかんも独り占めして、他のプレイヤーのことは見殺しにしたβテスターがな!!!」

しん、と広場が静まり返った。
痛いくらいの沈黙。私は唇を噛み締める。

(……ああ、やっぱり)

こういう糾弾が出ないわけがない。
一部とはいえ紛れもなくこの世界を経験しているβテスターたちを、予備知識も何もなく巻き込まれた新規プレイヤーたちが。
……たとえ“1”にすら満たない些細な情報であっても知っているかどうかの差は大きい、と断罪する事態。

(でも、違うのに)

βテスターだって死んでいるし、彼らが持っていたであろう情報が100%有効だったわけでもない。

しかし、私に何が言えるというのだろう?

……こんな論争など問題にならないくらいの“嘘”を抱えているのに。


「発言、いいか」


豊かな張りのあるバリトンが響き渡った。
人垣の左端から、見上げるほどの巨漢が進み出てくる。身長は190はありそうで、肌はチョコレート色、頭は完全にスキンヘッドだ。彫りの深い顔立ちは一見怖そうにも見える。
けれど彼は、その日本人離れした風貌とは裏腹に広場のプレイヤーたちに丁寧に頭を下げ、その上でキバオウに向き直った。

「俺の名前はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり、元βテスター達が面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ、その責任を取って謝罪しろ、ということだな?」
「そ……そうや。βあがりどもは、こんクソゲームが始まったその日にダッシュではじまりの街から消えよった。右も左も判らんビギナーを見捨てて、な。二千人なんて犠牲が出たのはそのせいや! しかもただの二千人やない、このほとんどが他のMMORPGではトップ張ってたベテランやったんやぞ。アホテスターどもがちゃんといろんなもん分け合うとったら、絶対死なずにすんどった!!」

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Kizuna(プロフ) - わあああすみません!!!ご指摘ありがとうございます(>o<") (2017年3月7日 14時) (レス) id: 62524f433b (このIDを非表示/違反報告)
ネムム(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいねー (2017年3月7日 13時) (レス) id: 2bd2d16489 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kizuna | 作成日時:2017年3月3日 20時

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