#207 ページ21
「やっぱり厳重だね。中々入らせてくれそうにないよ。」
クラピカ「そうだな。それだけ男を忌み嫌っているのだろう。」
辿り着いたガエタノの屋敷の前には、門番役の女が二人。そのガタイの良さは、シルバさんともいい勝負だろう。
どうにか侵入するための口実を探しているけど、一向に見つからない。唸りながら壁に寄りかかると、背後からギィィと頼りない音がする。
(ん？もしかして……)
まさかそんなことは無いよね、と思いつつ試しに壁を押してみると、そこは回転盤になっていて向こう側の風景がいとも簡単に覗けた。
「…嘘でしょ。」
クラピカ「ん？」
「ここ、隠し扉みたい。」
クラピカ「そんな都合の良いことがあるはず……＿＿＿＿本当だ。」
これは引きの良さ？それとも夢主補正？
まぁ、どちらにせよ早く事が進みそうで良かったけどね。
そうっと侵入すると、大型ショッピングモール程の広さの内部には本当に女性しかいなかった。
こんなに女性だらけなんだから、少しくらい彼の女装に汚点が浮き出てくるんじゃないかと心配していたけど……
(うん、やっぱり完璧。)
全く違和感を感じさせないクラピカ(成人男性、管理職)の女装に、感心すらしてしまう。そんなことが私の頭を巡っているなんて思いもせず、彼は周囲の観察を始めた。
クラピカ「小さい街のようだな、ここは。」
「そうだね。商人から踊り子、観光客まで沢山。」
クラピカ「あの中心に聳えたものがガエタノの屋敷だろうか。」
「聞いてみる？」
クラピカ「あぁ。」
辛うじて共通語が通じる旅商人の女性を見つけて話しかけると、彼の予想通りにそこがここの主の屋敷だと教えてくれた。それから、新参は彼に挨拶をするのが常であるから、一度顔を合わせた方が良いとのアドバイスを貰った。
クラピカ「挨拶をしに行って、次いでに緋の目の事を聞こう。」
「本人に？」
クラピカ「あぁ、戦わなくて済むものを態々拳で対抗する必要は無いからな。きっと旅のトレーターだと言えば交渉に応じてくれるだろう。」
「なるほど！」
*
「「ごめんください、旅の者です。」」
少しだけ早く波打つ鼓動を感じながら、その屋敷の扉を叩いた。
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あ - 本当に良い作品でした…名作。。完結お疲れ様でした。2024年ですが (1月16日 1時) (
レス) @page40 id: b41e70529d (このIDを非表示/違反報告)
ありす - もう泣きましたよー！素敵な物語ありがとうございました。お疲れ様です (2022年7月15日 0時) (レス) @page49 id: c887a79125 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりです(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 読んでいく度に続きが気になって夜更かししてまで読んでました笑めっちゃ面白かったです！！これが初めての作品だと…？！文才、めっちゃありましたよ…！今更ですが、完結お疲れ様でした！かにかまさんの他の作品に行ってきます！ (2021年5月28日 18時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - るきさん» 素敵なコメントありがとうございます。最近はH×Hに疎遠になってしまっているのですが、いつか機会があったらまた書きたいなと思っています。気長に待っていただけたら嬉しいです(^^) (2020年11月18日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年12月15日 7時
