#129 ページ19
no side
ボスの護衛を任されたセンリツとA、それからスクワラとバショウは暇を持て余していた。
ババ抜きに飽きて、三回目の大富豪入ろうとした頃、ネオンはふとAの方を見た。いつもなら嫌々ながらトランプゲームに参加してくれるのに、今日はずっと窓の外を眺めているのだ。いくら生身の人間に疎い彼女とはいえ、普段と違う様子に疑問を抱いたのかもしれない。
ネオン「ねぇ、Aちゃん変じゃない？ぼーっとしてるっていうか…」
彼女なりに気を使って小声でそう尋ねると、スペードの3を出しながらスクワラが答えた。
スクワラ「当たりめぇだよ、愛しの彼の命が危ないんだから。」
ネオン「えっ！？あの二人ってそうなの！？」
スクワラ「さぁな。でも、俺はそうだって踏んでるぜ。昨夜だって仲良くお泊まりしちゃってさ。」
バショウ「秋の夜も 二人にとっちゃ 熱いのさ」
センリツ「勝手なこと言って嫌われても知らないわよ。」
センリツに注意されてスクワラとバショウは少し大人しくなったが、ネオンの興奮は高まるばかりだった。
ネオン「ねぇ、恋人ってどんな感じ？」
不意に話を振られた侍女のエリザは、思い当たる人物が居るのか顔を真っ赤に染めてはぐらかした。
「つまんないなぁ。」と、ネオンはまたAの方へ視線を写した。
(((あ、不味い。きっと余計なことを聞く。)))
周りの人間が皆そう思ったのも虚しく、彼女は今一番話しかけない方がいいであろう人物へ好奇心を投げかけた。
ネオン「ねぇAちゃん、恋人ってどんな感じ？」
「…さぁ、居たことがないので分かりません。」
「ちょっと外の空気を吸ってきます。」と部屋を出ていく彼女の後ろ姿を目線で追いながら、人は目を丸くした。
スクワラ「…マジかよ。」
ネオン「なーんだ、スクワラの嘘つき。」
エリザ「意外、ですね…私もてっきり二人は恋仲だと…」
センリツ「大切な仲間と言っていたわ。」
スクワラ「クラピカはあんなに分厚い本読んどいて、言葉の意味も知らねぇのかよ。」
バショウ「おい誰か 仲間の意味を 教えてやれ」
「「「「「…。」」」」」
センリツ「…お節介は良くないわ、暖かく見守りましょう。」
エリザ「そうですね。」
ネオン「えー、つまんない。」
こんなにも大勢の人に行く末を思いやられていることを、少年少女は全くと言っていいほど自覚していなかった。
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かにかま(プロフ) - みなみさん» 初めまして、素敵なコメントをありがとうございます(^^) 最近はプライベートが色々と忙しいので更新頻度が低いのですが、お付き合い頂けたら嬉しいです。 (2019年11月16日 22時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - コメ失礼します…！とっても面白いです！！すごい好きです！これからも頑張ってください…！！！ (2019年11月16日 22時) (レス) id: 1440843f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年10月6日 23時
