何事? ページ21
あの後、三郎と男達との間でラップバトルが始まったのだが、流石に一対四では勝ち目がなかった。遅れて登場した兄二人の加勢によってようやっと決着が付き、Aも解放されたという訳だ。
倒れた犯人達を二郎が押し込んで、一郎は警察の事情聴取を受けている。
一体何だったんだ、あれは。突然のことすぎて未だに理解していないけれど。
Aはゆっくり立ち上がって彼の方を向いた。
「ありがとう、三郎」
「別に……僕だけで助けた訳じゃないし。」
「でも一番早く駆けつけてくれたのは三郎でしょう。」
「!」
「…………はは、怖かったぁ……」
瞬間、ポロリポロリと涙が溢れた。慣れた顔を見て安心したのだろうか。
あらまぁと口許を押さえる二郎に三郎は「あっちいけよ」と悪態を着いた。
(………バカ、意識しすぎだ。)
自然と熱くなっていく顔。見られたくなくって、そう、見られたくなかったので三郎は彼女を抱き締めた。
それ以外にない。特別な理由や下心なんて何にも……
「……ふふ、」
「何だよ」
「優しいね、三郎。」
「……」
「慰めてくれてありがとう。」
パッと上げた。優しい微笑み。
その笑顔は反則だ。どうしよう隠し切れない。
ボボボッと顔が益々熱くなって、泣いていることなんてお構い無しに彼女の頭を無理やり下に押さえ込んだ。
「痛っ、いだだだだだ」
「不細工な顔でこっち見ないでくれる。」
「うわー、ひっどーい。」
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あぽろ(プロフ) - 描いて下さりありがとうございます…(?)めちゃくちゃいい作品で、びっくりしました…! (2021年5月1日 5時) (レス) id: a236361d3f (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます。わー、そうなんですね!茉莉さんの推しのイメージを壊さないように頑張ります(^^) (2020年11月27日 19時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 更新お疲れ様です!!強盗役のラップ私も好きですwwしかも三郎くん私の推しなんで我得でしかない…//(キモい) 応援してます〜!! (2020年11月27日 17時) (レス) id: 78857a4183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時:2020年11月26日 1時