太鼓判 ページ15
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「おい、何で当たり前のように居座ってるんだよ。」
「えー?」
置き去りにして居たイヤフォンを取りに向かうと、昨日ぶりの彼女が居た。客用のソファーに腰掛け、数枚のパンフレットを手にしている。
自分のことは棚に上げて、「受験生の癖に」と小言を言う三郎。気に留めずAは笑った。そんな様子に気付いて、事務所の掃除をして居た一郎が代わりに答えた。
「たまを見つけたお礼にウチの手伝いをしてくれるんだってよ。」
「はぁ!?手伝い!?」
「あぁ。今は外国人観光客向けパンフレットの添削をしてもらってるところだ。」
「えぇ……」
「Aは賢いんだなぁ。驚いちまったよ。」
「へへへ」
「流石三郎のダチだ。」
「いや一兄、友達ではないですから。」
納得がいかないなぁと思いつつ、三郎はもう一度Aに視線を戻した。
(………変な奴。)
タダで猫を見つけてもらえたなら運が良かったと済ませてしまえばいいのに。律儀なのか、頭が固いのか。
「………僕もやる。」
「じゃあこっちの商店街のヤツ頼んだ!」
「うん」
悪態はつきつつも、その表情がほんのり柔らかであることに一郎は気付いていた。はたきを動かす手を一瞬止めて、くすりと笑った。
(やっぱり三郎は振り回されるくらいの方が丁度良いんだろうな。)
公認ストーカー誕生の瞬間である。
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あぽろ(プロフ) - 描いて下さりありがとうございます…(?)めちゃくちゃいい作品で、びっくりしました…! (2021年5月1日 5時) (レス) id: a236361d3f (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます。わー、そうなんですね!茉莉さんの推しのイメージを壊さないように頑張ります(^^) (2020年11月27日 19時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 更新お疲れ様です!!強盗役のラップ私も好きですwwしかも三郎くん私の推しなんで我得でしかない…//(キモい) 応援してます〜!! (2020年11月27日 17時) (レス) id: 78857a4183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時:2020年11月26日 1時