天才だっ! ページ12
「ところで何か連絡できるもの持ってるか?」
「持ってないです。」
「そうか、じゃあ三郎と一緒に回ってくれ。」
「何で僕が……」
「三郎はこの子と顔見知りなんだろ?俺や二郎と居るより、お前と居た方が気を遣わずにすむだろう。」
「……」
勉強をストップして仕事を手伝うという選択肢は悪く無かった。が、しかし貴重な休日にまでこんな奴の相手をする羽目になるとは。
一郎相手となっては文句を言えず、大人しく言いなりになった三郎。
そんな葛藤など知る由もなく、Aは愛猫たまの行方を追うのだった。
「なぁ、その猫ってどれくらいの体長なんだ。」
「……え?普通だけど……」
「その普通が分からないから聞いてるんだろ。」
「うーん、40センチくらいかな。」
「体高は?」
「25センチいかないくらい。」
先程一郎に聞かれたことよりもよっぽど物理的な特徴を聞かれる。Aは不思議に思いながら横目に三郎の様子を伺った。
すると、彼は手にしていた小型タブレットを軽やかにタップして、即座に町内の地図の一部が着色されたものを導き出した。三郎は相変わらずキョトンとしたままのAの顔の前に、それをずいと付き出した。
「今物理エンジンで計算した。」
「え、すご」
「体長や体重、それとその他諸々から考えると、ここら辺にいる可能性が高い。」
「すご………三郎すご!!」
「いや語彙力無」
まだ中学校で物理なんてならってないよね?それに、勉強したことを実生活に活かすだなんて私にはできないよ!
興奮気味にそう続ける彼女の腕を掴んで、その公園へと向かった。
「せめてたまを見つけてからにしろよ。」
「あはは、確かに」
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あぽろ(プロフ) - 描いて下さりありがとうございます…(?)めちゃくちゃいい作品で、びっくりしました…! (2021年5月1日 5時) (レス) id: a236361d3f (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 茉莉さん» コメントありがとうございます。わー、そうなんですね!茉莉さんの推しのイメージを壊さないように頑張ります(^^) (2020年11月27日 19時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 更新お疲れ様です!!強盗役のラップ私も好きですwwしかも三郎くん私の推しなんで我得でしかない…//(キモい) 応援してます〜!! (2020年11月27日 17時) (レス) id: 78857a4183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時:2020年11月26日 1時