睫毛 ページ10
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久々知「あのさ、A」
「ん？」
久々知「俺達のこれから……なんだけど……」
「あー……」
荷物を纏め、森を歩いて少し。
丁度話が途切れた所に兵助は切り出した。さっきのこともあって何となくの内容を察したAは、どこか気まずそうだった。
久々知「Aが実習で怪我して帰ってきた夜に、三郎に言われた。これ以上危険な目に遭わせたくないなら早いところ嫁に貰ってしまえって。」
「……。」
久々知「でも、それは違うと思ったんだ。俺はAがくの一になる為に日々励んでいることを知っているし、そんな努力家なところが好きだから。」
(……え)
Aは思わず目を丸くした。
引き留められると覚悟していたものを受け入れられたから。
きっと兵助だって忍同士の付き合いがどんなに大変か知っている。それなのに、あえてそれを……
久々知「……それに学園を出たばかりじゃ十分な収入だって無いし、Aにもしものことがあったとしても責任をとれない。やっぱり難しいよ。」
と、困ったように笑う。
それから、「こんなにも一人で熟考していたのだけど、Aは？」と再び尋ねるのだった。
Aは考えてみる。
くの一である未来。
兵助の隣にいる未来。
自分にとっては代替不可能なもので、どちらかを捨てるなんて選択はしたくなかった。
(……分からない。)
ただ、これだけ正直に話してくれたのだから適当に誤魔化したりせずに本心をきちんと伝えようと思った。
「正直なことを言うとね、まだ良く分からないんだ。将来のことだって最近固まり始めたようだし。」
久々知「そうだよな。」
「………でも久々知君の傍に居たい。」
久々知「！」
「それじゃ駄目かな………」
久々知「十分だよ。」
兵助は優しく微笑んで頭を撫でた。
子供扱いしないでよ、と照れて言う恋仲はうつむきがちで、睫毛が長いなと呑気に観察するのだった。
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いちごのヘタ - 面白すぎて一気読みしました！何年も前の作品ですが、コメント失礼します！ (12月12日 17時) (
レス) @page45 id: 508422f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちは！！ これ面白かったです！！ 続きが、、、どうなるのやら気になるwww (2022年7月10日 21時) (レス) @page45 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - 今日一から読みはじめて読み終わりましたが、とても素敵な作品でした。！！完結から一年経っていますがそれでもおもしろく、全員のキャラが立っていて素晴らしい作品でした。！楽しませていただきありがとうございました！ (2021年12月22日 12時) (レス) @page45 id: 005af4cbb4 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 蒼葉碧さん» はじめまして、こんにちは。わーーー、モブシリーズの蒼葉さんじゃないですか……！まさか読んでいただけてるなんて(;_;) 勿体無いお言葉をありがとうございます。今後も気まぐれな更新となりますが、お付き合い戴けたら嬉しいです。 (2020年9月2日 9時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - こんにちは。完結おめでとうございます！とても素敵なお話でした^ ^これからも応援しております。季節の変わり目ですのでくれぐれもご自愛ください。 (2020年9月2日 5時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時：2020年8月18日 23時
