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お花見 ページ19

「A!桜を見に行こう!」


「桜?」


「そうだ!ここへ来る途中に綺麗な桜並木があった!」



暖かくなり雪が溶け、桜が咲き始めた季節。

変わらず杏寿郎と私はこのベランダにいる



あれから私達は会う度にお互いのことを知っていき、

季節が変わって春になった今ではかなり打ち解けた。



杏寿郎はこの街の人間ではなく、任務

所謂仕事として此処へ来たと教えてくれた


その任務はもう終わったらしいのだが、

私のためにわざわざ鍛錬の合間や夜の任務前に此処へ通ってくれている


日々弟の千寿郎くんと何をして遊んでいるとか、

些細な事でも話してくれる杏寿郎といる時間はとても楽しい。



と言っても、杏寿郎が唯一教えてくれない事がある


それは杏寿郎が"敵"だと言っていたモノについて。


その"敵"を倒すために任務でこの街に来て、私と出会った事は教えてくれたものの、


結局何を倒す仕事をしているのかは今も教えてくれないのだ


私はてっきり熊や山の獣を倒す類かと思ったけれど、どうやら違うようで。


そこまで隠されると気になるというのが人の性というもの


教えて欲しい、と頼むと



"君は知る必要がない、俺がいるからな"



と何とも言えない返事が返ってきた



杏寿郎は少々一度決めたら突き通すという頑固な所があるので、詮索はやめることにした



そして冒頭に戻るが

今日も任務前にここへ来た杏寿郎が来るなり、桜を見に行こうと生き生きとした顔で言ってきた



桜……


正直、すごく見に行きたい
誘ってくれてとても嬉しかった


私の家の庭にも桜が咲いていて、毎年庭で両親と妹が

お花見というものをしていたのを思い出した


お菓子や軽食を食べながら話している楽しそうな様子を、私はこの部屋の窓から眺めてた



杏寿郎とお花見、行きたいなあ

とは思う




…でも私は何年か前を最後に、外へ出たことがない。



その据が私の脚を留めて、思わず俯く


下を見ると見えるのはベランダ用の軽いサンダル。


玄関から堂々と靴を履いて外へ出ることすら私には出来ない。



杏寿郎と会うようになってからも、私は変わらずここからは動かなかった


それは外出を禁止されているせいでもあるが



なにより人の目が怖いのだ

大丈夫→←これから



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(プロフ) - ゆうさん» 再度コメントありがとうございます。とてもとても嬉しいです(;;)諸事情で完結まで時間がかかると思うのですが宜しければ何卒、気長にお待ちくださいませ、、! (2020年12月7日 23時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新待っていました!続き楽しみにしています! (2020年11月22日 2時) (レス) id: e0580f81f7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます。そんな…何回も読み返していただいてるなんてとても嬉しいです( ; ; )ゆっくりになるとは思いますが今後ともよろしく致します、! (2020年11月22日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
りり - すごく素敵なお話で何度も読み返しています!無理せず更新頑張ってください。応援してます! (2020年11月18日 20時) (レス) id: 100354a5be (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 梟と烏の羽にさん» コメントありがとうございます。そのように言っていただいてとても嬉しく感じると共に、心温まりました。今後ともよろしくお願い致します。 (2020年11月14日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月6日 0時

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