花一匁4【沖田総悟】

女子高校生と自転車7 ページ35

“そんじゃ俺も”と言うと、沖田君もズボンを捲って靴を脱いで波に足をつけた。


「冷てっ。」


「波がキラキラしてるね。本当に綺麗！！」


サザザ…と波が引く。


「そうだ、貝殻とか無いかな？」


「ホント、はしゃぎすぎでィ。どんだけ海エンジョイしてるんでィ。」


“あんまり危なっかしいと海に突き飛ばす”と言われた。酷い。


「だって、楽しいじゃん！！！きゃああああ！！波来た！！！！」


勢いよくこちらへ向かってくる波から全速力で逃げて、また戻って。


「ほれ。これなんかどうでィ。」

「うおわっ！？」


沖田君が何かのを投げて来たので、キャッチする。


「うわぁ！！！何これ！！可愛い！！」


「いらねェからやらァ。」


沖田君が投げて来たのは、薄いピンク色の貝殻。


「これ、桜貝の貝殻だよね！？凄！！どこで見つけたの？」


「さっき砂浜に埋もれてたんでィ。」


貝殻を太陽にかざすと、ピンク色が透けて光った。


「桜の花びらみたい！！ダメだ、嬉しくて語彙力が低下してる。凄いしかないわ。よく見つけたね、レア物。」


「語彙力低いのは元々だろィ。」


「そんなことないし！！」


ぱしゃっと海水を沖田君の足元にかけた。


「てめェ、何しやがんでィ！！ズボン濡れたじゃねーかよ。」


「知ーらないもん！！」


「待ちやがれ！！」


「きゃああ！！ちょっと、濡れたちゃったじゃん！！」


沖田君が手で水鉄砲を作って海水をかけて来た。


「馬鹿沖田！！！」


「冷てっ！何でィ、馬鹿Aが！！食らえ！」


「うわっ！！かかった！ねぇ、かかったじゃんここ！！！」

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