女子高校生と自転車9 ページ37
「あーもう…沖田君ってさ、何なの?」
「は?どういう意味だよ。」
「何でそんなサラッとイケメンなことするの?馬鹿なの?なんでイケメンなの!?」
自分でも理不尽すぎると分かっていながら、複雑な気持ちを押し付ける。
「理不尽すぎんだろィ。」
「普通そんなかっこいいことする!?というか何で出来んの!?」
「褒められてんの?俺。」
「そんなことしたら普通惚れちゃうでしょ!?」
「Aって、何やかんや言って結局俺の事かなり好きだろィ。」
「…うるさい!お黙りなさい!///」
「否定はしねェんだ?」
「…もう知らない。///」
花は髪につけたまま、立ち上がって砂浜に出た。
いつも一枚上手な沖田君に、追い越されるような、いつまでも追い付けないような気がする。
焦りと、積もっていく新たな恋心が空回って大概沖田君に八つ当たりをする。ごめんね。
「なーに見てんでィ。」
「漂流物…。」
「そんなもん見て楽しいかィ?」
「うん。…ほら、これなんて外国のお酒の瓶だよ。」
剥がれかかったラベルには外国語が書かれている。
長い月日をかけてこの瓶がここまで流れ着いてきたと思うと、不思議とこんなゴミでさえも素敵に感じる。
「…またここから、この瓶はどこかへ流れていくのかな。これも、私達の人生も同じなんじゃないかな、なんて思うんだよね。」
色々な場所に行って、色んな人たちと出会う。生きるというのは、そういうことなんじゃないかな、なんて。
そんな風に考えれば、この瓶にも愛着がわく。
私が沖田君の方を見ると、彼はじっとこちらを見た。
「……んじゃ、それが次の場所に着くまでくれェはお前は俺んところに居ろィ。」
“何年かかるかしれねーがな。”沖田君がクククと笑うので、私は“そうだね。”と静かに返事をした。
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夕鈴(プロフ) - ぱるむさん» ぱるむさん、コメントありがとうございます!返信遅くなってしまい、申し訳ありません。お楽しみ頂けたようで、何よりです♪まさか、完結に4作品分もかかると思ってませんでした…。グダグダでしたが、ここまで長きに渡りお付き合い頂き、誠にありがとうございました! (2020年6月22日 16時) (レス) id: 682d5e9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです! (2020年6月7日 23時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
夕鈴 - チョコさん» チョコさん、コメントありがとうございます^^*課題、大変ですよね…分かります(><)お忙しい中、毎日読んで頂けて嬉しい限りです。次回作は、ほぼ練ってあるので近日中に書き始めると思います。是非是非、訪れてみて下さいね。長きに渡るご愛読ありがとうございました! (2020年5月30日 18時) (レス) id: 682d5e9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 初コメです!!完結おめでとうございます!!課題をやらなきゃいけない中でも、夕鈴様の作品は毎日必ず拝読させて頂きました^^次回作も必ずみます!頑張ってください! (2020年5月30日 11時) (レス) id: 44f70498cd (このIDを非表示/違反報告)
夕鈴 - ういさん、コメントありがとうございます^^*楽しんで頂けたようで、何よりです。読者の皆様の存在があってこそ、最後まで書き終える事が出来ました。感謝の気持ちでいっぱいです。ご愛読、ありがとうございました。次回作にもご期待下さい!なんて…(^^; (2020年5月30日 9時) (レス) id: 682d5e9ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年5月7日 19時