沖田さん、近づきすぎです【沖田総悟】

沖田さんを掴みたい10 ページ21

｢俺みてーに、戦場で刀振り回して、汚れきった奴は、アンタみてーな人の傍にいちゃ、釣り合わねーと思ったんでィ。｣







お互いの背中に腕を回したまま、2人だけの、閉じ込めた空間の中で話す。







｢………沖田さんは、…っ………汚れてなんかない……｣







｢……｣








｢…っ……………江戸を……守ってる…のに、………どうして沖田さんが汚れる…？｣









“それに、私を助けてくれたじゃない”









私は、腕の力を少し強めた。








｢でもねィ、Aさん。アンタがこうして、想い伝える為に俺ん所来てくれて、やっぱりアンタの傍に、居てェと…思ったんでさァ。｣








｢それに、俺がアンタをもっと守れるくれェ強くなりゃいい話だし。｣









沖田さんは、そう言うと、私の背中を優しく、ポンポンとした。









｢だから、ンなにボロボロ泣かねェで下せェ。………俺ァアンタの悲しんでる面見んのは、ゴメンでさァ。｣









｢…ふっ…ぅ………ご…めんなさ……い……っ…｣









｢俺が泣かせたみてーじゃねーかィ。俺ァアンタの笑顔に惚れたんだが…｣









“Aさんがガキと話してる時、笑顔がすげー綺麗だったんでィ”









━━━━━パッと花が咲いたような









｢せっかくの化粧も、台無しになりやすぜ？｣









沖田さんは、腕を緩めると、私に向き直った。









｢Aさん、可愛い｣









沖田さんは、“戦場で刀振り回して汚れきった奴”とは思えないほど、優しく微笑んで、私の瞼にキスを落とした。

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