沖田さん、それ以上近づかないで下さい【沖田総悟】

沖田さんはお巡りさん4 ページ6

男side



「さっ、さっきは………あっ…の………、えっと………………本当に…っ……す、…………すいません…で、した……」



この駄菓子屋の主らしい、若い女は俺に保冷剤を渡した。









　


………メチャクチャビビりながら。



「……おう。」



いつもなら問い詰めたり弱味握ってどうにかさせたりするが、今回はそんな気にもなれない。



というか、コミュニケーションがちゃんと取れるかも謎。




何故ならこの女、過剰にビビりすぎる。




遠くの方でちょこんと座っている女店主は、冷や汗をダラダラ流し、今にも泣きそうな顔で服の裾を握りしめている。



目線は合わせようとしないわ、どもるわで、こんなので店やっていけるのかこちらが心配になる。



“さっきのお詫びに”とタダで貰ったソーダバーを一口かじると、冷たい氷が口の中でひんやり溶けていく。



「……あの」



「ﾋﾞｸｯ!! はっ、はい！！」




女は、電気でも流れたのかというくらいﾋﾞｸｯとはね、上ずった声で返事をした。









「…名前、何て言うんですかィ？」








・









確かに変な女…だが、コイツは面白そうだ。



他の女とは違う眼で俺を見てくる。




臭い香水をぷんぷん匂わせ、色目使いながら媚売ってくる雌豚共とは真逆の怯えた眼。



この変な女に、何故か興味が湧いてしまった。

沖田さんはお巡りさん5→←沖田さんはお巡りさん3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す