女子高校生と体育祭9 ページ27
グランドでは、最終ランナーが走っていた。
「沖田君頑張れ〜〜〜っ!!」
女の子たちの応援の声が飛び交う。圧倒的なファンの人数だ。
沖田君は私が縮めてしまった他のクラスとの差をグングン突き放すように走っていく。みんなが言っていただけあって俊足だ。
後少しでゴールだ。
「……っ、沖田君頑張れ!!」
気がつけば、私の口からその言葉が零れていた。
呟いた後に、ハッと気づく。
沖田君は見事に1位でゴールした。
さっきから心做しか足がズキズキ痛むけれど、無視して無理やり座席に戻った。すると、神楽ちゃんやさっちゃん、妙ちゃん、九ちゃんがこちらに来た。
「A、大丈夫だったか。」
「うん、平気。ありがとう、九ちゃん。」
「頑張ったアルな!Aが1位キープしたおかげで、Z組が1着取れたアル!!」
「いや、みんなが速かったからだよ。さっちゃんも神楽ちゃんも、凄い速かったよ!かっこよかった!私、転けちゃって…。ダサいわー、ホント。」
「そんなことないヨ!」
「そうよ、A。ちゃんと走り切ってたもの。それより、足。腫れてるんじゃない?見せなさい。」
さっちゃんが私の足首を指さした。確かに、赤く腫れてしまっていた。
「保健室に行った方がいいんじゃないか。」
「やだな、みんな。これくらいで大袈裟だよ。」
「ダメよ、Aちゃん。ちゃんと冷やしてもらった方がいいわ。」
妙ちゃんが“行きましょ”と言って私の手を取った。
「大丈夫?歩ける?」
「うん…」
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三日月夜丞(プロフ) - 冒頭の小説の説明から惚れました。「アンタが欲しい。力ずくでも。」ってナニソレ???????めちゃくちゃ惚れたんですが????????応援してます。頑張ってください。 (2020年9月28日 1時) (レス) id: a042f81cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年1月23日 1時