女子高校生と体育祭8 ページ26
土方君も速い速い。なんだか自分が惨めになってきた。
そして、早くもうちのクラスは第3走者にバトンタッチされた。
「銀さ〜〜〜ん!!見ててねぇぇ!!」
はじめのを除けば、さっちゃんは凄く綺麗だった。走ってるだけなのに、何て言うのかな、身のこなしが綺麗っていうか。(さっちゃんって、普通にしてればもっと美人さんなのに…。)
「さっちゃん!後は任せるネ!!!」
第4走者は神楽ちゃん。
「オラァァァァァア!!!!!」
驚異のスピードを見せながら、こっちへ向かってくる。
「Aーーー!!!!ダッシュアル!!!走るアルヨ!!」
私の手の中に、バトンが滑り込んだ。
あれから毎日、今まで練習してきたことを思い出す。
とりあえず一心不乱に私は走った。
「…っ!」
途中、隣のクラスに抜かされてしまった。
(…走らなきゃ!!)
「ハァハァ…っ!!!!おらァァ!!」
何とか、さっき抜かされた子を抜かし返した。
「A!!走れィ!!!」
ゴールで、沖田君が手を伸ばして待っていた。
その時、
(痛っ…!)
足首がズキリと傷んだ。
「後ちょっとなのに…!!!!」
無視して沖田君の元まで走る。
「沖田く…いっ…!!」
“おーっと、Z組、転倒してしまった!大丈夫か!?!?”
すかさず放送部がアナウンスを入れた。
辺りが一気にざわめく。
私は、ゴール目前で足首をぐねって転倒してしまった。
後ろから足音がだんだんと近づいてくる。
(負けちゃう…!!)
私は、すぐに立ち上がり、前のめりになりながら、なんとかバトンを手渡した。
「ごめん」
「任しとけィ。」
沖田君がバトンを渡した瞬間、ボソッとそう言ってからすぐに走って行った。
私は、なんとか、Z組を一位のままキープすることが出来た。
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三日月夜丞(プロフ) - 冒頭の小説の説明から惚れました。「アンタが欲しい。力ずくでも。」ってナニソレ???????めちゃくちゃ惚れたんですが????????応援してます。頑張ってください。 (2020年9月28日 1時) (レス) id: a042f81cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年1月23日 1時