タイムスリップ少女 [弐]【刀剣乱舞】

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長谷部side




「あああああああああああああああ！！！！は、長谷部ええええええええ！！！」







ある日の午前十時頃。厨でお茶を淹れていたら、主が物凄い形相で俺の名を叫びながら厨に入ってきた。







ちょうど隣にいた歌仙が「雅じゃない」と呟いていた。






「どうしたんですか、主」








「はあっ、は、はせっ、やっに、はあっ、ご、がっ、はあっ、は、せっ」




うん全然何言っているかわからない。
ははせやにごがはせ？



……




歯歯背矢煮後我歯背(ははせやにごがはせ)？





「主、落ち着いて下さい。椅子に座って、水飲んで下さい」





主を椅子に座らせて……と思ったら、主は自身の足を縺れさせて転んだ。流石の俺でも驚いた。
後で歌仙が「うわあ……」と言っているのが聞こえた。





「主、大丈夫ですか」





「うっ、すまん、長谷部」





主は立ち上り、フラフラと椅子に座った。ダイニングテーブルに添えてある椅子は太鼓鐘と大倶利伽羅の特等席だ。




「で、どうしたのです。主」



冷たい水をコップに淹れて、主に差し出す。
主はそれを一気に飲んだ。





「いや、実はさ、ご、ゴキブ――」



言い終わる前に、俺と、主の顔の横を、包丁が通りすぎた。包丁はそのまま、壁に刺さった。



誰の仕業かは見なくてもわかる。






「み、雅じゃないッッ！！！」





歌仙はキレてた。

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