タイムスリップ少女 [弐]【刀剣乱舞】

番外編：お正月スペシャル その2 ページ15

「皆さーーん！Aさん連れて来ましたぁ！！」


スパァンと大広間の襖が開かれ、皆がこちらを向く。わあお。皆さん晴れ着似合ってますねえ。


「おい、押すなって！転ぶだろう！こら、鶴丸！」


と、廊下の反対側から綾斗さんの声が聞こえる。あー……綾斗さんも大変なんだろうなあ……



「さあ、早く入って下さい！」


鯰尾くんに背中を押され大広間に入る。私はそのまま、乱くんと薬研くんの間に座った。


「よお、似合ってるな。着物」


「わあ、思った通り！とっても似合ってるよAさん！」


席に着くなり両隣の二人からそう言われた。
いやお世辞というのは知ってるから。


「……どうも、二人も似合ってるよ」


二人も皆とお揃いの着物を着ていた。特に乱くんは男着物を着ていてちょっと違和感があった。いや、でも似合っているから凄い。

でも乱くんなら振袖とかいけそう……



「さあさあ、皆さんお待ちかね我らが大将！主のお出ましだあ！！」

突然鯰尾くんが大きい声でそう言い、鶴丸さんに押されて綾斗さんが大広間に入ってきた。


「おー。ノリノリだな、鯰尾兄」

「ね。流石今年最初の近侍だよね」


薬研くんと乱くんがパチパチと拍手をしながらそう言った。もちろん私も拍手をする。流れで。



「うわっ、と。おい、鶴ま……あーっと。うん。あー……」


綾斗さんは入って来て早々私と目が合い、そして反らした。いや、うん。なんかごめんなさい？


「もー！主！A見てなにニヤけてんの！」


と加州さんが言う。私を見てニヤけて……って、綾斗さん、それはちょっとヤバイのでは。世間からロリコン扱いされてしまうかもですよ。


「……ｺﾞﾎﾝｯ あけまして、おめでとうございます！！！今年も元気に歴史遡行軍をぶっ飛ばしていきましょう！！」



「「おーーー！！！」」


皆の掛け声と共にいただきます、と全員で言い、何時もよりも遅い朝餉を食べ始めた。


最後は普通に今年もよろしくでよかったのでは、という疑問は美味しいご飯と一緒に飲み込んだ。


それから一日中、着物を着ていた(着せられていた)。



さあ、新しい1年が始った。


ついでにジャージたちを盗み、着物を置いていった犯人は乱くんでした。ちゃんと返して貰えました。







番外編：お正月スペシャル＿終




あけましておめでとうございます！これからも頑張ります！

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