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「あ……う……すびばぜん……涙もどくて……」
(あ……う……すみません……涙脆くて)
私は遂に涙腺がゆるみ、涙を溢した。
人前で泣くのは何回目だろう。
あの日、あの時、もう泣かないって決めたのに。
強くなるって決めたのに。
でも、桐峰さんの言葉が心に染みて__
いいのだろうか。こんなポンコツなのに、期待してもいいのだろうか。
私はあの時代に必要されていると思ってもいいのだろうか。
「あっ……うぅ……ひぇ……」
なかなか泣き止まない私を、桐峰さんや綾斗さんが優しい目で見てくれていた。
長谷部さんに至っては、私が泣いていることに驚いていた。
「私、ひっく……絶対帰ります……元の時代に……」
みなさんの、期待通りの鈴原Aになれるように。
「ええ。全て、貴女にかかっていますから」
「そうしてくれなきゃ困ります」と言って、桐峰さんは用意されたお茶を飲んだ。
「もう、泣き止んだらどうだ。そんなんじゃ、お前に日本は任せられない」
長谷部さんが隣にやって来て、背中を撫でた。
私は暫く、長谷部さんに背中を撫でられていた。
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ナツのツナ(プロフ) - ニャンコタルトさん» コメントありがとうございます!色々頑張りました!従姉妹凄かったです。逃げても隠れても追いかけてくる……恐ろしい年末でした。 (2018年1月1日 22時) (レス) id: ab0d102e88 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコタルト(プロフ) - 楽しみに待ってますよ~(≧∇≦)い、いろいろ頑張ってね...(^.^; (2017年12月30日 10時) (レス) id: 410be00c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツのツナ | 作成日時:2017年12月9日 12時