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〈7〉過去 ページ7

太輔と只の同級生ではなくなったのは高3の冬。



卒業も近づき自由登校となり、
俺は友達と連日連夜遊んでいた。


久しぶりに家に帰ろうと、夕方に差し掛かる午後の
寒空の下、生あくびをしながら歩いていた。


急に吹いた冷たい風に堪らなくなり、首に巻いたマフラーに顔を埋める。


「あーさみぃー」なんて呟きながら歩いていると、
人とのすれ違いざまに腕がぶつかってしまった。



ドンっ



北「いてっ!すいま‥せ‥...」
?「うわっ!ごめんなさい」



謝ろうと顔を上げるとそこには‥




藤ヶ谷がいた。






北「っ!‥‥」


藤「大丈夫?」


北「う‥ん、そっちこそ」


藤「俺も大丈夫」


北「えーっと‥こんにちは‥?」


藤「なにそれ(笑)」


北「挨拶だろ(笑)」




どうしよう何か喋らなくてはと、
慌てて発した言葉に藤ヶ谷が笑ってくれた。


普通に話が出来ている事に驚き、
嬉しく思いながらも
この場から早く立ち去りたくて‥




北「じゃ‥」




もうこれ以上は無理だと、
バクバクと煩く音を立てる胸を、
震える手で押さえながら歩き出そうとすると‥




藤「そういえば、北山君と話した事一度もなかったね」



藤ヶ谷が話し掛けてきた。




北「‥‥だな」


藤「うん」


北「ん?俺の名前‥‥知ってんの?」



ふと疑問がよぎる。




藤「‥‥知ってるよ。北山 宏光君でしょ?」


北「え?‥‥なんで」




俺と藤ヶ谷は高校生活で接点も喋る事もなかった。

絶対俺の事なんて知らないはずなのに‥


なんで?


なんで‥知ってるんだ?




藤「だって俺‥ずっと‥‥‥‥」


北「‥‥え?」


藤「……ずっと」


北「ずっと?」


藤「‥北山君に話たい事があるんだ。少しだけ時間貰ってもいい?」


北「いいけど‥‥」





急過ぎる展開に頭が真っ白になった。


そんな状態で、
言われるがままに藤ヶ谷の後を歩き、
近くの公園のベンチに二人で座った。

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いろ果(プロフ) - もえさん» もえさん、初めまして♪コメントありがとうございます!ドキドキして読んで頂けた様でとても嬉しいです(o^^o)続きでは無いのですが、近々藤ヶ谷さんsideも書いていきたいなぁと思っていたので、その際もお付き合い頂ければ幸いです☆彡 (2017年1月23日 7時) (レス) id: 8fe91de33d (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - はじめまして!こんばんは!完結おめでとうございます。すごくドキドキしながら読んでました!最後はお二人の気持ちが通じてよかったです(^-^)よかったらこのお話の続き書いて下さい!これからも頑張って下さい♪ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 3266ef2099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いろ果 | 作成日時:2016年9月17日 21時

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