chapter9 ページ10
朝起きると私の家じゃないからかそれとも昨夜のことでなのかどちらか分からないけど、別の体に別の魂を無理やり詰め込まれたような目覚めだった。
まだ寝ている京治を起こさないようにシャワーを浴び、暖められていく空気の匂いを嗅ぎながらコーヒーを淹れているとベッドの方から私を呼ぶ声がした。
「……A」
「おはよう京治。お風呂とタオル勝手に借りたわ」
「……んー」
コーヒーを持ったままベッドに近付くが、京治はまた眠そうにうつらうつらしている。
「コーヒー淹れたけど飲む？あと、朝ごはんどうしようかしら、買ってくる？」
と京治の前にしゃがみ顔を覗き込むと何か言いたげな表情で私の手を掴んだ。
「A、俺嘘ついた」
「え？」
「何とも思ってないなんて嘘だよ」
京治の言葉が5年前の情景と重なる。
「…あのさ、A俺たちの関係ってなんだろうね」
この時はただの冗談でおふざけで聞かれたと思って「京治とはカラダだけの関係」って答えたけど、その反応は私が思ってた反応ではなくて、
「そういうことじゃないんだよ…」
「京治…？」
やけに悲しそうな傷ついたような顔をしていたのは覚えている。
「5年間Aに会えなくて、放置されて。俺らしくないけど仕返しなんて考えて、許されるかもなんて考えて。……ねえA」
5年前私が京治のもとから逃げ出した理由でもあり裏切りの理由。
「俺のことどう思ってる？」
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れーと - こういうお話大好きです。最後まで頑張ってください。 (12月10日 16時) (
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作者名：黒猫 | 作成日時：2023年8月24日 14時
