Eighteenmirror ページ20
貴方side
「このっ、！！！」
『っ！！！だめっ！』
彼女はウサギに向かって何処から取り出したのかナイフを振りかざした。
私は考える間もなくウサギを守るように腕をかざした。
グサッ、腕に鋭い痛みが走る。冷たい地面にポタポタと赤い雫が滴る。
『貴方、本当にクズね。罪もないウサギを傷つけようだなんて。』
「あら、何がいけないの？この世は全て私のものよ？私が何したって自由じゃない？」
怒りで目の前が赤くなる。
「あーあ、私の白い肌に傷がついちゃったじゃない。ハーツ様から頂いた綺麗なドレスもあんたの穢れた血がついちゃったし。どうしてくれるのよ。」
『自業自得ね、自分の行いを悔やめばいい。』
私が睨みながら言うと彼女はニンマリと笑った。気味が悪い笑みだった。
「そうだ、いいこと考えちゃった。これも全部あんたのせいにしましょう。あんたが息をしていることさえも嫌だから明日にはもう殺してもらおう。」
『っ！！！まっ、、』
私が声を上げる間もなく彼女は背中を見せた。
「さよなら姉様？また死刑台の上で会いましょう。」
明日が楽しみだわ
その言葉を最後に彼女は消えていった。
血溜まりの上に涙が溢れた。
死ぬ覚悟はあったはずなのに、いざ時が来るのを自覚すると体が震えた。
ウサギがこちらを見つめてくる。耳はたれこちらを心配しているようだった。
『、、大丈夫、貴方だけでもここからにがしてあげる。さぁ、おいで。』
ウサギを抱え遥か上にある石の石との少しの隙間に向かって登る。
手を伸ばしウサギをそこに乗せる。
『っ！！！ァ"、グ、』
と同時に私は手が滑り高いところから落ちた。硬い地面が背中を打つ。
『、お行きな、さい。私、のことはいいから。』
ウサギは消えていった。壁に背をつける。明日には私は死ぬ。最後にあんなに美しいウサギを見れてよかった。
そして今私は手を縛られ、石を投げられながら多くの人の前を歩いている。
昨日の1日で妹は私の悪い噂を広めたらしい。人間はすぐに１つの情報を信じる。愚かだ。“この世界”の何よりも。
だから私は来世はウサギになりたい。
人間に関わることなく平穏に暮らすのだ。家族に囲まれながら。
死刑台の上に立つ。
『さようなら、汚らしい“この世界”よ。』
私は目を閉じた。
が、
？「目開けてや、アリス。俺と一緒に行こう。」
『え、？』
目の前には私の頬を撫でる少年がいた。
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たるる(プロフ) - 愛月咲良さん» 有難うございます！！嬉しい限りです。この作品と出会ってくれて有難うございます！！！ (2021年8月2日 22時) (
レス) id: 6b45a8b4d9 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - すっごく好きです…！！この作品と会えて凄く嬉しいです！ (2021年8月2日 9時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たるる | 作成日時：2021年4月19日 17時
