Tenmirror ページ12
鹿が動いてくれたかと思えば私の怪我をした手に鼻を近づけ軽く小突きキュュンと鳴いた。
「ふふ、心配してくれているの？ありがとう。貴方優しいのね。」
スカートの裾を少し破き自分の手を先に手当てする。
それから、ポケットの中から綺麗なハンカチを取り出し鹿の足に優しく巻いてやる。
「簡単な手当しかしていないからあまり動いちゃダメよ。まだ他に人がいるかもしれないから…。」
自分で言って気がついた。まだこの子達を狙う人がいるかもしれないこと。
(どうしよう。次見つかったらこの子たち捕まえられちゃう。)
悩んだ挙句取り敢えず狼が起きるまでそばにいることにした。
_________________________
？side
エミさんとの任務で“この世界”に来て3日ほど経った。
(収穫なし…か。あいつら心配するしそろそろ帰るか。)
少し離れたところにいるエミさんを迎えに行こうとした時だった。
バン！！バン！！
(！？銃声！エミさんのいる方からや！)
木々の間を全速力で走り匂いを追った。
(間に合ってくれ…！！！)
俺の目には足から血を流したエミさんに人間が近づいている様子がはっきりと映った。
「グオ"オ"ォ"ォ"ン"！！！(エミさんに近づくな"や"ぁ"ぁ"ぁ"！！！)」
仲間を傷つけられた怒りをそのままに、人間の腕に噛み付いた。と同時にエミさんが“魔法”を発動する。
人間は悲鳴をあげてその場にうずくまった。
その隙に俺はエミさんの足を庇いながらできるだけ遠くへ逃げた。
ちょうどいい草陰に腰を下ろす。
em「(ゾムさんすませんでした。助かりました。)」
zm「(気にすんなや！てかけが大丈夫なん？)」
em「(それが、、結構深くまでやってしまったみたいで、)」
zm「(今の所けが治るまで帰れそうにないっちゅうことやろ？)」
em「(はい、、)」
俺たちが持っている懐中時計は常に壊れていて操作が複雑になっておりとても難しい。
帰るにはこの懐中時計が必要になるわけだが魔法を使うともっと時間が狂ってわけがわからなくなる。それに加えて怪我までしていると時空の狭間にいる間に負担がかかってしまう。
(待機するしかないよなぁ。)
体制を少し変えようとした時カサッと音がなってしまった。こちらに向かってくる足音がする。
(まずい。このままじゃ俺もエミさんも捕まってまう。)
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たるる(プロフ) - 愛月咲良さん» 有難うございます！！嬉しい限りです。この作品と出会ってくれて有難うございます！！！ (2021年8月2日 22時) (
レス) id: 6b45a8b4d9 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - すっごく好きです…！！この作品と会えて凄く嬉しいです！ (2021年8月2日 9時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たるる | 作成日時：2021年4月19日 17時
