紫煙から夢＿ﾐｽﾀ ページ9
「＿アニスだな」
「おぉ、ご名答」
ブチャラティチームのアジトのリビングには私とミスタの二人だけだった
日中からカーテンを閉めきっている為、部屋の中は薄暗い
ミスタはスンスン、と鼻を鳴らすと自分の座っている私の向かい側のソファーに崩れ落ちた
「...なに」
「A。俺さァ、やっぱスゲーと思わねぇ？」
いつものミスタの呑気調子になにがァ？と雑誌を捲りながら返す
私の目には薄暗くて良く見えないモデル達が写っている
「煙草だよ、タ・バ・コ。俺普段吸わねーじゃん、でもまだ外したことねーんだぜ？」
「くだらない、実は予習してるんじゃあ無いのォ？」
私は口の端にくわえた煙草を右手で取ると吸殻が山盛りになった灰皿へそれを押し付けた
灰皿からは紫煙がうっすらと立ち上っている
紫煙の奥からへへへ、と笑うミスタが見えた
その無邪気な笑顔に私の心は無惨にも掻き乱された
「予習なんてするかよ〜、俺の才能だぜ」
「そんな才能、何の役に立つの？」
得意気な顔をするミスタに"煙草の銘柄当て"という使いどころの無い才能の必要性について尋ねる
ミスタに聞かずともその必要性は皆無なんだけれど
ミスタはうーん、と考えると何か思い当たったように手を打って
「ある、十分＿俺にとっちゃ人生に関わるぜ」
「嘘よ、何に関係あるってわけ？」
私はケラケラ笑ってソファーに沈む
ソファーには私の吸ってきた色んな煙草の匂いが沢山染み付いていた
...アニスも、アーク・ロイヤル・ワイルド・カードも、ブラックデビルだって、全てミスタは当ててきた
私がどんな煙草に変えようとも彼は意図も簡単にいつもいつも当ててしまう
私の一部をミスタに見られているみたいで、凄く変態的だけどドキドキした
関係ならあるよ
だって貴方と深く関わりを持てる唯一の話題なんだもの
紫煙が丁度途切れた頃、ミスタは席を立った
そのまま寝転がった私の頭を軽く押さえると彼は口付けをする
アニスの独特な甘い香りとミスタの香りが混ざって鼻から抜けた
くらくらして心地いい、今まで吸ったどんな煙草よりも
「関係ならあるぜ。この才能をネタにして、好きな女に近づけるだろ？」
「...煙草は吸わないのに口は達者なのね」
「へへ、好きだ。A」
ケケケと照れ臭そうに笑ったミスタはそのまま私の方に倒れ込んだ
ミスタ、貴方のそのくだらない才能のことだけど
＿私にとってはとっても素敵な才能よ
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RIOT(プロフ) - こちらの作品を読んで頂きました皆様、誠にありがとうございました。本日をもちまして、この小説は続編に移行することとなりました。今まで読んでくださり、ありがとうございました。続編でお待ちしております。 (2019年2月11日 16時) (
レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 高杜さん» ありがとうございます〜！結局夢主も依存してるっていう共依存になっちゃったんですけど、凄く楽しく書けたので良かったです。是非これからもよろしくお願いします！ (2019年2月11日 15時) (レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
高杜(プロフ) - フーゴくんのお話とっても良かったです…！！本当にありがとうございました！これからの更新も楽しみです、応援しています！ (2019年2月11日 12時) (レス) id: c2df969f37 (このIDを非表示/違反報告)
あいすすとろべりー(プロフ) - またリクでブチャラティとアバッキオが夢主ちゃんを取り合いする奴をお願いします！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
カト☆(プロフ) - またまたリクエストよろしいでしょうか...？！よろしかったらポンペイ組をお願いします！ (2019年2月10日 3時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT | 作成日時：2019年1月17日 18時
