血を見れば＿ﾌｰｺﾞ ページ30
※恥パ後フーゴ視点
彼女は眉を下げて僕を見た
優しく握られた手からは暖かさが伝わってくる
以前大学で読んだ医学書の中に「女性は男性よりも脂肪が多いため体温が高い」というのがあったのを思い出した
簡素な病室には大きめの窓があり、カーテンの隙間からはネアポリスの美しい町並みが見える
僕は彼女から気を逸らすためにわざと外を眺めた
「フーゴ、無事でよかった＿」
彼女は僕の手にすがるように顔を近づけた
生暖かい水滴が傷だらけの僕の手の上を滑っていく
僕のためにかどうかは分からないが涙を流す彼女＿Aはブチャラティに着いていったメンバーの一人だ
あの激戦の中を生き残った精鋭の一人でもある
そんな彼女が今更、何故僕の前にいるのか分からなかった
彼女はもう僕の事を過去の存在としてでしか見ていないと思っていたのに
あの時、恋人である僕を捨てて彼らと共に行ってしまったのに
その疑問以上に心の奥底で願っていたAとの再会がいとも簡単に叶えられたことが、僕にとってはどうしても受け入れられないのだった
僕は今、怯えている
一週間前に突然ミスタに呼び出されたことから始まった奇妙な任務
無事任務をやり遂げた後搬送された病院で目を覚ますと元恋人がそこに居たこと
全てがあのジョルノ・ジョバァーナの命令したことだとしたらそれはホントに僕にとって死以上に恐ろしい
途端、彼女の握る僕の手がカタカタと震え始めた
恋人であったAにも、僕は怯えている
打ち寄せてくる恐怖から目を逸らそうと、僕はAに何故ここにいるのか聞こうとした
だが、ウイルスが暴れまわった所為で口腔内を破壊されている僕はそれすらも口に出せない
こんな自分が情けない
「ごほっ＿」
気づいたら口の端から一筋血が流れている
「あぁ、喋らないで。血が出てる」
Aはハンカチを取り出すと僕の方へ手を伸ばした
『＿ありがとう、大切に使うね』
何かが急に過って僕はAの手を叩いた
乾いた音がしてハンカチはベッドの上に落ちてしまう
＿あぁ、僕は一体何をしているんだ
「ごほっ...す、みま＿」
謝ると喋ったらダメだ、と念を押し彼女は再び僕の手を包み込む
僕の手はAにも振動が伝わるほど震えていた
今でも彼女を愛している、だが怖い
一度僕を置いていってしまったAに再び触れるのがどうしても怖かった
ふとベッドに落ちたハンカチを見る
「え＿」
昔僕が彼女にあげたそれが無惨にも血に汚れていた
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RIOT(プロフ) - こちらの作品を読んで頂きました皆様、誠にありがとうございました。本日をもちまして、この小説は続編に移行することとなりました。今まで読んでくださり、ありがとうございました。続編でお待ちしております。 (2019年2月11日 16時) (
レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 高杜さん» ありがとうございます〜！結局夢主も依存してるっていう共依存になっちゃったんですけど、凄く楽しく書けたので良かったです。是非これからもよろしくお願いします！ (2019年2月11日 15時) (レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
高杜(プロフ) - フーゴくんのお話とっても良かったです…！！本当にありがとうございました！これからの更新も楽しみです、応援しています！ (2019年2月11日 12時) (レス) id: c2df969f37 (このIDを非表示/違反報告)
あいすすとろべりー(プロフ) - またリクでブチャラティとアバッキオが夢主ちゃんを取り合いする奴をお願いします！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
カト☆(プロフ) - またまたリクエストよろしいでしょうか...？！よろしかったらポンペイ組をお願いします！ (2019年2月10日 3時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT | 作成日時：2019年1月17日 18時
