人魚の街＿ﾌﾞﾁｬﾗﾃｨ ページ17
ブクブクと鼻から出る気泡
それ目で追って上を見ると見慣れた白と赤と緑が水面の方にゆらゆらと漂っている
もうそんな時間だっけ、と防水加工された腕時計を見ると待ち合わせの時間を指していた
日の差す天井へ向かってゆっくりと泳いでいく
「プハッ＿はぁ、ボンジョルノ三人とも」
上からすっ、と手が差し出される
手の主であるブチャラティが微笑んでいた
私は有り難くその手を握って地上へと引き上げられた
「ま〜た泳いでたのか、よく飽きねーな」
「泳ぐと意外と気持ちがいいのよ」
Aのセクシーな水着姿が見れるのは飽きね〜、なんて減らず口を叩くミスタからタオルを受け取る
「ナランチャとアバッキオは？」
「彼らならビーチ近くのカフェに行ってますよ。暑いからジェラートでも食べようかって言ってたんです」
ジェラートか、私も食べたい気分だったところだ
何の味にしようか、なんて考えながら船着き場からビーチの方へと移動する
ふと、ブチャラティを見ると懐かしげな様子で海を眺めていた
「ブチャラティはお父さんが漁師だったんだっけ？」
「あぁ、漁師だ」
「そうなんだ、実はね私の父も漁師だったのよ」
身の上話を始めるとブチャラティは興味深そうにへぇ、と目を輝かせた
彼のこんなに嬉しそうな顔はあまり見たことがない
私も彼の笑顔を見て、釣られて笑顔になった
「通りで泳ぎが上手いと思った」
「毎日海で泳いで魚を採ったり貝を拾ったりしてたから。でも父さんの方が泳ぎは上手いのよ」
「俺も幼い頃はよく海で遊んでた。親父とはたまに週末なんか一緒に釣りをして釣った魚をその場で料理して食ったり＿楽しかったな」
「ステキなお父さんね」
ブチャラティの嬉しそうに父親のことを語る姿を見ていると私も何だか嬉しくなった
まるで自分が褒められてるみたいに
「Aの親父さんもな」
ブチャラティの手が私の濡れた髪に触れる
ひょい、とつまみ上げられたのは美しいピンク色をした貝殻だった
「あら、潜ってたときにでも付いたのかな」
「まるで人魚みたいだな」
ブチャラティは笑って私の頭にその貝殻を戻した
「人魚って言うほどキレイじゃないわよ、ギャングだし」
私がそう言うと彼は首を横に振ってニコリと笑った
「Aは人魚よりキレイだ。ギャングだろうが何だろうが関係ないさ」
そお？とブチャラティの顔を見る
何だか照れ臭くて二人で笑った
もし私が人魚なら、貴方は多分王子様よね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【ジョジョ５部】In una notte insonne �供效司埆検� 【ジョジョ5部】Another killer Brezza Rrimaverile Michelangelo【5部】もっと見る
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIOT(プロフ) - こちらの作品を読んで頂きました皆様、誠にありがとうございました。本日をもちまして、この小説は続編に移行することとなりました。今まで読んでくださり、ありがとうございました。続編でお待ちしております。 (2019年2月11日 16時) (
レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 高杜さん» ありがとうございます〜！結局夢主も依存してるっていう共依存になっちゃったんですけど、凄く楽しく書けたので良かったです。是非これからもよろしくお願いします！ (2019年2月11日 15時) (レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
高杜(プロフ) - フーゴくんのお話とっても良かったです…！！本当にありがとうございました！これからの更新も楽しみです、応援しています！ (2019年2月11日 12時) (レス) id: c2df969f37 (このIDを非表示/違反報告)
あいすすとろべりー(プロフ) - またリクでブチャラティとアバッキオが夢主ちゃんを取り合いする奴をお願いします！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
カト☆(プロフ) - またまたリクエストよろしいでしょうか...？！よろしかったらポンペイ組をお願いします！ (2019年2月10日 3時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RIOT | 作成日時：2019年1月17日 18時
