番外編 ページ33
「きょーうは何の日だーっ？」
「都民の日」
「じゃなくて！」
「ジェジェの誕生日の前日」
「なんでそこでジェジェ出してくるんだよ、違うに決まってんだろ」
「10月一番始めの日」
「確かにそうなんだけど〜」
「御国の誕生日」
「ちが…って」
「違うの？」
にっと笑って振り向くA。
「違くないよ、せーいかい」
「ふん。はい、どうぞ」
黄色い袋。リボンがついている。
「え、プレゼント？」
「そう」
「開けても良い？」
「良いぞ」
開けると、ミサンガが入っていた。
「へぇ。早速つけよーっと」
「ちょ、え？待って！」
「ん？なぁに」
きょときょとと目を動かし、頬を少し染めてAは言った。
「言ってご覧。…A？」
こういう時は、耳元で名前を囁いてあげると、もっと可愛くなる。
「やめ…！…その、だな。あれだよ、あの…私も買ったの。同じやつ。だから、えっと、願い事、一緒に決めよう？」
「…ダメって言ったら？」
「別に。勝手に決めるし。御国の誕生日だから喜ぶかなーと思ってやっただけだもん、私に利害も何もないし」
口ではそういう。でも、顔は歪んでる。
「あはは、冗談だよ。泣かないで」
「泣いてない」
「あっはっはっ、どうする？願い事」
「御国が考えてよ。アンタの誕生日なんだから」
「うーん。はは、じゃあAが泣かない
ように」
「…馬鹿にしてんの？」
「決めてって言ったのはAでしょ？」
「…まあそうだけど…」
目を伏せて、少し考え込んだ。
「まあ、それで良いよ。その代わり、御国のは私がつける。そんで、御国は私のをつけて」
「良い案だね」
俺達は、お互いに、願いを込めてミサンガをつけた。
Aはどんな願い事をしたんだろう。
「どんな事お願いしたの？」
「秘密！」
「俺はね、Aが泣きませんようにーって」
「だからそれ何だよ？！泣かないし！」
キャンキャン吠えるAの目を塞いだ。
「わ！？何？！」
耳に唇を近づけて、こう囁く。
「ね、A。俺、Aの願い事、当てられるよ」
ビクビク震えるAを、優しくなでる。
「俺がいなくなりませんように、じゃない？」
「な、なんで分かったの…？」
「昔はAのそばから離れる事がよくあったからね、もしかしたらって」
目を塞いだまま、開きっぱなしの彼女の唇に触れ、舌で弄んだ。
俺は、本当に、泣かないようお願いした。
もし俺が、先にいなくなっても。
＊＊＊
御国お誕生日おめでとう！好きだよ！
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はにかん - とっても面白かったですっ!更新頑張ってください!御国さんが… (2018年12月30日 20時) (
レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)
みこぱーど(プロフ) - 伊月さん» ありがとうございます！御国さんの小説少なくなって来てるんですね…！寂しいです…。応援ありがとうございます！駄作ですがこれからもよろしくお願いします！ (2017年11月17日 15時) (レス) id: 0948e898aa (このIDを非表示/違反報告)
伊月(プロフ) - 更新頑張って下さい！最近御国さんの小説がなくなってきたので、この小説だけが楽しみです。応援してます！ (2017年11月16日 22時) (レス) id: c7b85fbcc6 (このIDを非表示/違反報告)
みこぱーど(プロフ) - 紫月さん» はい(笑)18禁にはならないようにしようと思っています。なのでこれ以上は想像にお任せする感じです。コメントありがとうございます！ (2017年8月2日 13時) (レス) id: 0948e898aa (このIDを非表示/違反報告)
紫月 - あの、これ以上のいちゃいちゃって...良い子に見せられないんじゃ(笑)とか言う私もまだ10代(笑) (2017年8月1日 22時) (レス) id: 73c563ba73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこぱーど | 作成日時：2017年5月3日 14時
