舞踏会 ページ31
なんて、気が重いのだろう。こんなことなら
朝に散歩なんてしなきゃ良かった。
これから舞台に登るというのに。緊張で手は震えるし、契約とやらの内容も頭を巡るしで、グチャグチャだ。
出番が来て、お父様の横に並びお辞儀をする。
ライトが眩しい。下には大勢の御偉いさんが…
その中に、治の姿を見つけた。いつもと違う正装に身を包んだ治は、安心させるように優しく微笑んで私を見ていた。その姿を見て、私の心も少し落ち着く。
『皆さん、こんばんは。王女のAと申します。今日は、我が国の舞踏会にご参加頂きありがとうございますーーー。』
ーー
ー
無事に挨拶が終わった。治がいなかったら、私の心臓はどうなっていたことか。その後一息つく暇もなく、いらっしゃった皆様にお父様と挨拶をして回った。
「A、疲れていないか?」
『はい、大丈夫です。お父様は?』
「私は慣れている。それより、ダンスの時間になればきっとお前は囲まれるんじゃないか?」
『か、囲まれる?お父様ったら、そんな大げさな…』
ーー
ー
大げさなことなかった。助けて下さいお父様。
我が国とより良い関係を作ろうと狙っているのか、予想より多い人数に囲まれた。婿候補以外の人もいる。
「A様、どうか私と!」
「いえ、私を選んで下さい王女様」
「私と一番に踊って頂きたい、A様」
『え、えっと…』
もう取り敢えず誰でもいいかと思いながら、目の前にあった手を取ろうとする。と、誰かに腰を引かれた感覚がした。
「はーい失礼諸君、A王女と一番に踊るのは私なのさ。君達は他の国のお姫様と踊っていてくれるかな」
『お、おさ…じゃなくて、太宰様…』
私ごと華麗に人だかりから抜け出して、宣言する治。ハートが強い…。私なんて、敵に回したらと思うと、怖くてそんな大胆なことできない。
みんな治の国力を知ってか、渋々離れていった。実際に他の国の王女も招かれている訳だし、そちらに行ったのだろう。
「…大丈夫かい?」
『あ、ありがとう治…』
「おや、舞踏会では太宰様って呼ぶんじゃなかったのかい?」
『……ふ、二人の時は…いいかな、って…』
少し照れながら口にする。恥ずかしくて下を向き、しばらく沈黙が続いたあと頬を撫でられた。顔を上に向けられる。
「ドレス素敵だね、Aに似合ってるよ」
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時