文字 ページ7
昨日は、人魚さんとの距離が大分縮んだ気がした。そして、名前を知ることもできた。中也って言ってたな。おそらくそれが人魚さんの名前なのだろう。
今日は、大きな本をいくつか抱えて砂浜に来た。
昨日人魚さんの言語を聞いて、全然理解できなかったので、あの後城の書斎で調べていた。
人魚に関する本はあったけど、中々それらしいものが無かったので、全部持ってきてしまった。
『昨日の食べ物もそうだけど、私って何でも持ってきちゃうなぁ…』
いつか誰かに怒られそう。
「…βπκ、A、A」
『あれ?こんなところまで来たの?』
この前までは船乗り場にいたのに、今日はかなり浅瀬のところまで来てくれていた。
名前も、ちゃんとした発音で呼んでくれた。
『ありがとう〜、迎えに来てくれたの?』
「A」
『なぁに、中也』
「A」
『んふふ、それしか言わなくなっちゃったね』
私が腰を下ろすと、砂浜まで乗り上げてきてすぐ側まで来た。
『綺麗な鱗だね、つやつやしてる』
驚かさないよう、ゆっくり手を伸ばす。
触ってみると、魚のようにヌメヌメはしていなくて、角度によって様々な色に見える。
改めて神秘的な生き物だと思っていると、中也が私のドレスを膝が出るくらいまで捲くった。
流石に、一瞬固まった。
『えっ、あ、中也?どうしたの?』
私の足を興味深そうに触りだす中也。そこで、人間の2本足に興味があるのだとようやく理解した。
『(よ、良かった…やましい気持ちがあるわけじゃなさそう…)』
これが人魚じゃなくて成人男性だったら、セクハラになっているところだ。
…あ、一応中也も男性か。いや、でも人魚だし…ま、いっか。
せっかくだし、靴も脱いであげよう。
久しぶりに足を海につけるのも気持ち良さそう。
『そうだ…中也、今日は本を持ってきたよ』
そう言って分厚い本を膝の上に乗せてページを開き、中也と一緒に覗き込む。
そこには、人魚の絵が載っており、隣にヘンテコな言葉が書かれている。
この文字、私は読めないんだけど、人魚だと読めたりするかも…?
『中也、ここ読める?』
「…θοπΕψ、ΘΑςοφΓΔΞψςΘΑ」
わぁ、すごい発音。
やっぱりコレ、人魚の文字なのかな?
難解な文字をスラスラと読んでいく中也。なんて書いてあるのか、凄く気になる。
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
89人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時