プロポーズ ページ33
治と踊ったあとに何人かの王子とも踊った。一段落付き、みんなが食事を楽しんでいる時、治が再び声をかけてきた。
「A、このあと一緒に食事を摂ろう。君とたくさん話したい気分なんだ」
『分かった。その前にお手洗いに行かせて』
「うん、ここで待ってるよ」
彼は壁に持たれて微笑む。なにをしても絵になる人って、本当にいたんだ…。
ーー
ー
お手洗いから出ると、廊下を歩いてるお嬢様方の会話が聞こえた。
「さっきの赤髪の方、誰かしらね?」
「さあ、背は低かったけど、整った顔付きでしたわね…」
『(ん…?)』
聞いたことのある特徴。
まさかと思い、お嬢様方の歩いてきた方向に進んだ。すると、
「A!」
『中也!部屋から出ちゃ駄目でしょ…!』
「悪ぃ、やっぱり手前が心配で…ってか、滅茶苦茶綺麗だな。今日の手前…」
中也は私をつま先から頭の天辺まで見たあとそう呟く。そんなまじまじ見られると、何だか恥ずかしい。
『あ、ありがとう…って、早く部屋に戻らないと』
「待て、どうしても今話したい。…駄目か?」
そんな顔で見られると断れない。わかったと返事をして、人気のない庭に出た。海が月夜で輝いているのが見える。
『どうしたの?』
「…あのな、言わなくちゃいけないことがあるんだ」
『う、うん』
まさか、契約のことかな。あぁ…どうしよう…
「Aを愛してる。俺と結婚してくれ」
ん?
『ん………?』
「お、俺と結婚して下さい」
『えっ…』
結婚。中也と?
本人は私の前で顔をほんのり火照らせている。契約の話ではなかった。いや、中也は私を海に連れていくつもりで今のプロポーズを…?
考えていると、肩を掴まれて私は中也と真正面に向き合うことになる。
「手前の返事を聞かせてくれ、人魚の時からずっと好きだったんだ」
『な、なんで今それを…』
「…何となく、胸騒ぎがした。俺のいないところで、もしかしたら知らない野郎がAのことを誑かすんじゃねェかと…」
「だから今伝えた」と真っ直ぐ目を見て言う中也。…どうしよう。私、さっき治に…あっ、そういえば待たせてるんだった。早く行かなくては悪いけど、こちらはこちらで簡単に済ませちゃいけない話になってきた気がする。
『(ごめん治、もう少しだけ待たせちゃうかも)』
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時