第44訓 ページ12
「「社長!?」」
国木田と谷崎はギョッとして声をあげ、乱歩は急いで立ち上がった。
「申し訳ありません。業務が終了次第谷崎と情報を集めてーー」
頭を下げて云う国木田の言葉を遮って福沢は、必要無い、と云った。
「全員聞け!
新人が拐かされた。全員
無事連れ戻すまで現業務は凍結とする!」
「「凍結!?」」
探偵社がざわついた。
「しかし幕僚護衛の依頼が……!」
「私から連絡を入れる。
案ずるな。小役人共を待たせる程度の貸しは作ってある。」
すると、乱歩が不服そうに、社長〜、と声をかけた。
「善いのほんとに?」
「………何がだ乱歩」
「何ってそのー、理屈でいけば」
「仲間が窮地助けねばならんーー。
それ以上に重い理屈がこの世に有るのか?」
福沢は乱歩の方を向いてそう云うと、おず、と後ろに下がった。
そして福沢は次の指示を出す。
「国木田」
「はい」
国木田は眼鏡を上に押し上げる。
「三時間で連れ戻せ」
「はい!」
・
・
・
「あ″ー……」
乱歩は如何にも面倒臭そうに、ぐでっ、と椅子と机を使ってよこになっている。
「市内の監視映像を洗え! 六時間内凡てだ!」
「んあー……」
乱歩が起き上がり、新聞を開く。
「賢治、商工会の管理台帳は?」
「はぁー……。
あ、駄目だ。これには4コマ漫画載ってないや」
そう云いながらポテトチップスをマジックハンドで掴んで口へ運ぶ。
賢治が国木田に商工会の管理台帳を渡すと乱歩が、賢治君、とひらひら手を振って呼ぶ。
「近所に良い感じの殺人事件ないか調べてくんない?」
「良いですけど……、後で社長に怒られますよ?」
賢治がそう云うと乱歩はビクッと肩を震わせて、矢っ張りいい……、と云った。
「社長!」
その横で国木田が忙しく社内を駆け回り、情報を集め、指示を出す。
「国木田くん! 観光客が偶々撮影してた!」
「誘拐をか!?」
「そう。此れ」
Aがその写真を見せた。その写真に写っていたのは有触れた
「因みに
「そうか。結構稼いだな」
「チンピラ警察ナメんなよ国木田くん」
Aは青色の番傘を肩に担ぎ、口端をあげてニヤッと微笑した。
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神羅(プロフ) - マッキーさん» ありがとうございます! (2018年4月21日 14時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです!更新頑張ってください! (2018年4月21日 14時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 華さん» ありがとうございます! 友達に貸してたの忘れてたので、まだ更新できそうにないのです……。すみません (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 凄く面白いです。これからもがんばってください (2018年3月1日 19時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
七海の狐(プロフ) - 神羅さん» おぉー!頑張ってください!待ってますね! (2018年2月27日 21時) (レス) id: 9c69874753 (このIDを非表示/違反報告)
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