第４３訓 ページ11
「敦が拐われただと？」
「は……はい」
「く…選りによって今か」
選りによって、というのは探偵社に先刻入った省庁幕僚の護衛依頼。
このせいで探偵社はドタバタしていた。
つまり、敦の捜索に割ける人手がないのだ。
そして谷崎の話によると、敦は白昼の路上で襲われ、
「大変だね、それ」
「ああ、連中は独自の密輸ルートを無数に持っている。
人一人 誰の目にも触れず運ぶこと位 造作も無い」
「何とか助けないとこのままでは……」
「助ける？ なんで？」
と乱歩はアイスを口にしながらけろりと云ってみせた。
「彼が拐われたのは人虎とか懸賞とか、つまり個人的な問題からでしょ？
ウチは彼専用の養護施設じゃないし、彼も護って貰うためにウチに入った訳じゃない」
「そうだねー。
強きは生き延び、弱きは死ぬ。単純明快な答だよね」
Aは乱歩の意見に賛同した。
つまりAは「自分の身は自分で護れ」そう云いたいのだ。
「でも敦君は探偵社の一員で……！」
「……乱歩さんの言う通りだ」
谷崎の話を遮って国木田は乱歩の意見に賛同した。
「俺達が動くのは筋が違う」
「……」
ナオミは、敦を助けたい、と云う谷崎を不満げに見る。
「警察に通報したら？」
乱歩はそう提案する。
だが国木田は、敦は災害指定猛獣だと説明する。
事態が露見するのを恐れて警察に通報出来ないと云うのだ。
Aはナオミを呼んだ。きっとナオミとAは同じことを考えていたのだろう。だからこそ、Aはナオミの背中を押した。
「ナオミちゃん。ーー」
「判りましたわ」
でも、と谷崎は反論する。
「何かしかるべき理屈を作れば」
「あのぉー」
ナオミは谷崎の話を遮った。
Aはにこりと笑って、立ち上がる。
「殿方の大好きな『筋』とか『べき』とかを百年議論して決めても良いのですけど……
代わりにこの方は
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神羅(プロフ) - マッキーさん» ありがとうございます！ (2018年4月21日 14時) (
レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年4月21日 14時) (レス) id: 0d4948deb3 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 華さん» ありがとうございます！ 友達に貸してたの忘れてたので、まだ更新できそうにないのです……。すみません (2018年3月4日 21時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 凄く面白いです。これからもがんばってください (2018年3月1日 19時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
七海の狐(プロフ) - 神羅さん» おぉー！頑張ってください！待ってますね！ (2018年2月27日 21時) (レス) id: 9c69874753 (このIDを非表示/違反報告)
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