じゅうよん ページ18
ここに来た時と同じドアを開けて校舎に入る。
まだ少しふわふわと気分が上気しているのが自分でもよく分かる
…せんぱいにだきしめられてしまった。
その事実を思い出すたびにじんわりと顔も心も温かくなった
隣を歩く先輩とは特に会話はないけれど、それが今の私には心地よく感じる
上機嫌でそうやって歩いて居ると隣からはぁ、とため息。おもわず見上げると少しだけ眉を寄せ難しそうな顔をしている先輩が目に入る
「先輩?どうかしましたか?」
「あ?…あぁいや…」
そう言うとゆっくりと目線を私から外し前を向く先輩に釣られ、私も同じように前を向く
「お前のそういう素直なとこ嫌いじゃねえけど、改めて見ると恥ずかしいからヤメロ」
「えっ…あ、……そ、そんなに分かりやすいですか?」
「すげー分かりやすい。さっきからえらく嬉しそうな顔しやがって…」
…なんか恥ずかしいだろ、俺が。そう呟かれた言葉に慌てるのは私で
「え、えええ…!ご、ごめんなさい…つい…!」
「いや、俺が勝手に照れてるだけだから気にすんな……っくそ…午後からも〜って何だよ俺、及川の事バカに出来ねぇ…!!」
「(ば、バカに!?)」
があああっと唸る先輩にどう声をかけていいのかと迷い慌てていると
前から見知った人が歩いてくるのが見えた
「!及川先輩!!」
「及川ァ!?」
「…あ!岩ちゃん!吉田ちゃんも!」
パタパタと此方に駆けてくる及川先輩に手を振ろうとすると、突然私の視界を遮る白い大きな壁
「ちょっと岩ちゃん、吉田ちゃんが俺から見えないんだけど」
「見えなくてイイだろ別に」
「会ったばっかなのに当たり強くない?なんなの岩ちゃん?可笑しくない?」
…あ、岩泉先輩の背中だったのか、と今になって気付く。広い背中からは及川先輩を見事に確認出来ない
「いや俺は岩ちゃんのクラスが次急遽移動になったからそれを親切心で伝えようと…」
「ああ、そうかよ。それは感謝するが…つかなんでお前が俺のクラスの事情知ってるんだよ」
「いやいやいや岩ちゃんが俺を置いて行った後にクラスの子に”及川ー岩泉に伝えといて〜”とか言われたんだよ。何これパシリ?しかも岩ちゃん今日に限って携帯切ってるし……っあ、そっか。もしかして吉田ちゃんと会ってるから電源…イタッ!?」
「それ以上言ったら次は顔面だぞクソ及川」
「そういうの理不尽って言うんだよ岩ちゃ…ゴメンナサイ振りかぶらないで」
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kite(プロフ) - セノさん» コメントありがとうございます。文才なんてそんな…でも嬉しいです。これからもご贔屓によろしくお願いします (2015年3月12日 20時) (レス) id: b3e6317ab4 (このIDを非表示/違反報告)
セノ - ドキドキと画面の前ニヤニヤ=作者様の文才。という方程式を私は知っている!!((バッ 物凄く面白いです!この作品で、岩ちゃんへの愛が増えました!!応援してます! (2015年3月12日 3時) (レス) id: d1fca42de7 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - すごくおもしろかったです。 (2014年11月20日 22時) (レス) id: f914af4869 (このIDを非表示/違反報告)
もふた(プロフ) - 岩ちゃんかっこいい!!!!!!!!!!これからも頑張ってください!!!!!!!!!!応援してます(*´∀`*) (2014年10月23日 22時) (レス) id: bda7562276 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - とても面白かったです。今後も頑張って下さい (2014年10月19日 16時) (レス) id: 1edd946607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kite | 作成日時:2014年9月24日 21時