第31話 ページ34
会議終了後、幹部達はそれぞれの役目を果たすため、各々に散っていった。
｢エーミール！｣
そんな中、朝食をとるために食堂へ向かおうとしていたエーミールに、一人の男が声をかける。
｢…！コネシマさん、何か用ですか？｣
振り返ったエーミールは、コネシマの表情を見て息を飲んだ。なぜならコネシマはいつものような笑顔ではなく、神妙な面持ちでこちらを見据えていたからだ。
てっきり｢一緒に食堂まで行こうや｣と誘われるばかりだと思っていたエーミールにはとても予想外の出来事だった。
｢…お前、会議ん時ずーっと顔こわばってたで｣
エーミールの肩がびくっと跳ねる。彼にとって痛いところを突かれてしまった。
｢えっと、そうでしたかね…？｣
エーミールは張り付けた笑みでとぼけてみせるが、コネシマの表情は変わらない。
｢…Aのことやろ｣
…図星だった。
エーミールは会議中、y国潜入や任務の件について全てそっちのけでAのことばかりを考えていた。
｢………俺にはどうしても割り切れないんです。もし、もしAさんが死んでしまっていたらなんて、ふとした時に考えてしまって…っ｣
うつむき加減に話すエーミールを、コネシマはしばらく見つめ、
｢お前が割り切れんのもよく分かる、ただな……ネガティブになっちゃいかん｣
真剣な眼差しで言った。
｢お前が心配するほどアイツはやわじゃない。案外けろっとしてるかもしれんで？｣
｢…っ！そう、ですよね｣
エーミールの中につっかえていたわだかまりが少しずつ解ける。
先程より柔らかくなった彼の表情を見たコネシマは微笑を浮かべてから、
｢長くなってもうたけど最終的に俺が言いたいのは、まぁあんまり考えすぎんなよってことや。引き留めて悪かったな。んじゃ、飯食いに行くぞエーミール！｣
エーミールの肩に腕をまわした。
エーミールは少し驚きながらも、｢今日は米がええなー｣と話すコネシマに、
｢ありがとう、コネシマさん｣
感謝の言葉を述べた。
コネシマはそれに応えるかのように、笑う。
…エーミールは心の底から思った。優しくて頼もしい仲間に出会えて良かったと。
続く (更新停止中)
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
