第28話 ページ31
「早くこの状況を打開しなければ……」
鬼ごっこ開始から約1分。中庭を抜けた俺は、ひたすら城のあちこちを走り回っていた。
え、何故止まらないのかって?いやー、それが大きな軍隊だからどこもかしこも人ばっかなんだよ……。もちろんすれ違う人は皆、ポチをガン見してるし……。
「こういう時こそ冷静に考えろ俺!!」
お昼時の今、人が少なそうでポチが居ても違和感の無い場所……
「飼育小屋か!」
なんで今まで思い浮かばなかったんだろう…。
飼育小屋は移動用の馬やひとらんらんが趣味で世話をしている動物達が住まう場所。近くには温室やちょっとした農園なんかもある。
主にそれらを運営しているのはひとらんらん一人で、立ち入る者も少ない。勝手に入ったら怒られるからね。
まぁ、遠出の任務がある人は度々訪れたりするが…そこは別に良いだろう。俺気にしない。
「ってかお前もしかしてそこから抜け出して来たんじゃないだろうな……ってうお!?いつから隣に!?」
「ワン!」
考えている最中にどうやらペースが落ちてしまっていたらしい。ポチはいつの間にか俺の隣を併走していた。
犬と併走する20代の絵面とか想像したくないな。追いかけられてるのも大概だけどね……。
「あ、誰も居なさそう」
あれから数分程で飼育小屋に着いた。
そこには誰一人として姿がなく、俺はやっと何かから解放されたような気がして、思わずその場に寝っ転がる。
「どうせ見えないんだし良いよね……」
今日は天気も良いし、最高のお昼寝日和だ。
「このまますやぁ……してる場合じゃなかった」
そうだ、元々中庭で色々考える予定だったんだよ。ポチの再来ですっかり頭から抜けていた。
俺は上半身を起こしてポチを一撫でしてから、今までのことやこれからのことについて考える。
「俺は結局どうしたいんだろうなぁ……」
早くこの透明人間生活から解放されたい、仲間達と会話を交わしたい、しかし彼らの前に顔を出すのは抵抗がある。ではどうすればこの問題が解決するか。
「自分で何とかしないと…………あ、」
そこで俺の中に1つの案が思い浮かぶ。
蘇るは男との戦闘、透明人間になったあの日。液体をかけられ倒れこんだ際に目に止まったa国産のナイフ。
「a国に潜入すれば、何か手がかりが掴めるかもしれない」
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椿 - おもろすぎて周回してrワン! (2021年4月24日 11時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン! (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - アァーwrwrdトウトイヨォ!皆さんどうしたんでs ワン! (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!!!更新頑張ってください!!応援してるワン!!! (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつお | 作成日時:2019年5月19日 7時