3話 ページ5
(黄side)
天崎A。
僕が高校時代に付き合っていた、天使みたいな女の子。
テストの点数も、運動神経も、容姿も。
誰も彼女に勝るものはいなかった。
天崎財閥のお嬢様で、それでいてみんなから好かれる性格。
非の打ち所がない、というのはこんな子なんだなと思った。
そんな彼女と僕は、ただのたまに喋るだけのクラスメイト。
特別でもなんでもない関係。
けれど、どうしても諦められない。
彼女に寄せる想いを、断ち切るために、もういっそ伝えてしまえばいい。
そこで盛大に振られてしまえば諦められる。
そんな投げやりな気分で彼女に告白したら、まさかの返事はOKだった。
信じられないけれど、ただ嬉しくて、幸せで。
彼女もそうだと思っていた。
でも、きっと違ったんだろう。
告白した日から、僅か3ヶ月。
職員室からの帰りに、ふと目に留まった空き教室の窓の中。
る 『は......?』
不良と有名な3年生の先輩と唇を重ねている君を見た。
彼女は窓の方に背を向けているから、表情は見えないけれど、見間違いでもなんでもなかった。
もっと早くに気付くべきだった。
どうして彼女のような人が僕なんかを選んだのか。
そんなの答えは、冷静に考えてみれば明確だ。
ただからかわれて、弄ばれていただけなのだ。
それからは本当に辛かった。
彼女がいつも通り笑うだけで憎らしくて、空き教室での君が浮かんで。
もう駄目だと思った。
僕は彼女に失望している、もう何も知らなかった頃には戻れない。
それから1週間も経たぬうちに。
僕は彼女を、あの空き教室に呼び出した。
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なな - すごく面白いです!ころんくん推しだけど、るぅとくんも好きになっちゃいそうなくらい良い作品ですね!表現が細かくて伝わりやすいです!更新頑張ってください! (2023年2月19日 23時) (レス) @page33 id: 06d5495fa3 (このIDを非表示/違反報告)
√∞(プロフ) - るぅとくん好きなんでこの作品嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年2月2日 17時) (レス) @page32 id: e4bc64edf9 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - しのぶさん» ありがとうございます!最近忙しいので更新頻度落ちるかもしれないんですけど頑張ります! (2023年1月17日 19時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 初コメです!凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです!頑張ってください! (2023年1月17日 6時) (レス) @page25 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - なむなむさん» ご観覧ありがとうございます!どしどし更新頑張ります! (2023年1月16日 17時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sora | 作成日時:2023年1月10日 20時