12話 ページ14
時計の針が夜の10時を指した頃。
私は仕事をようやく終えることができた。
朝からクッキー1枚しか食べていなかったからか、流石にお腹が空いた。
どこかに食べに行く...?
でも、もうこんな時間に空いているとこなんてないかも。
けれど、空腹を無視することもできないし。
私はコートの財布だけ持って、とりあえず家の外に出た。
いつも着いてくる未緒には、ご飯を食べに行くだけだからと言っておいたから、久しぶりに1人での外出だ。
未緒も私と同じ、お父さんの命令には逆らえない。
だから瑠斗くんと私が会っていたこともお父さんに報告したのだろう。
私には将来結婚する婚約者がいるから。
私がまた瑠斗くんに想いを寄せないか、監視しているのだ。
もう、そんなことあるわけないのに。
彼は私を嫌っているのに...。
そんなことをぼーっと考えながら、ぶらぶらと商店街の方を歩く。
仲の良さそうなカップルを見て、私もあんな風に生きられたらよかったのに、なんて惨めになったりして。
結局、広場のベンチに腰を下ろした。
お腹も空いているけれど、ものすごく眠い。
最近、特に睡眠不足だったからか、今になって睡魔が襲ってきたのだ。
こんなところで無防備に寝るなんて危ない。
そんなこと分かっているけれど、別にどうでもよかった。
起きたら誰かのベッドの上だろうと、もう何でもいい。
そんな投げやりな気持ちで目を閉じた。
それから何分か経ってから。
誰かが私の体を揺さぶっているのを感じて目を覚ました。
?「...ん...ちゃん!」
誰...?
まだぼんやりする頭を起こして、焦ったような顔をする誰かに目を向けた。
る「こんなとこで、何してるんですか...。」
困ったように眉を下げた、今1番会いたかった人が、そこにいた。
「瑠斗、くん...。」
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なな - すごく面白いです!ころんくん推しだけど、るぅとくんも好きになっちゃいそうなくらい良い作品ですね!表現が細かくて伝わりやすいです!更新頑張ってください! (2023年2月19日 23時) (レス) @page33 id: 06d5495fa3 (このIDを非表示/違反報告)
√∞(プロフ) - るぅとくん好きなんでこの作品嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年2月2日 17時) (レス) @page32 id: e4bc64edf9 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - しのぶさん» ありがとうございます!最近忙しいので更新頻度落ちるかもしれないんですけど頑張ります! (2023年1月17日 19時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ - 初コメです!凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです!頑張ってください! (2023年1月17日 6時) (レス) @page25 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - なむなむさん» ご観覧ありがとうございます!どしどし更新頑張ります! (2023年1月16日 17時) (レス) id: 9e8f068c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sora | 作成日時:2023年1月10日 20時