41話 ページ11
何とか時間に間に合った四人。教室には既にカルエゴが滞在していた。
今まで喧嘩というものは何度もしてきたが、一方的にAが飛び出していったのは今回が初めてであり、いつも仲介役になってくれていた男が居ないのは二人にとって痛いものだった。
なんとも気まずい雰囲気になっていると、クララの声が飛ぶ
｢エギー先生！｣
｢なんだ｣
｢Aち虐めたら許さないからね！｣
突然のクララの台詞に困惑顔のカルエゴ。
まぁたしかにあれは虐めるとかでは無いしな…と苦笑いなA。
だが、きっかけはクララが作ってくれた
｢カルエゴ｣
｢だからなんだ｣
｢奢りで許してあげる｣
｢…何故私が貴様に奢らなくてはならない｣
｢許してあげる｣
ニコニコとそう言うと、まだため息をついたカルエゴが眉間の皺を押す。よし、これは奢ってくれるな。
｢…いいだろう、だがこちらからも1つ｣
｢…なに？｣
｢出来る限り、いや、ある程度のことがない限り絶対に使うな。わかったな？｣
｢了解｣
あのカルエゴが妥協をしてくれたのだ。イエス以外の言葉はないだろう。
今回のことは元を返せば8：2でAが悪い。冗談で奢りだとは言ったが、了承してくれたこと自体が最早優しさだ。
きっかけや、優しい言葉をかけてくれた入間達に今度何かを返そうと決めるAであった。
__スキ魔__
｢せんせー、俺たちがいること忘れてない？｣
｢頭の片隅にはあるが忘れたフリしてんな｣
｢…やっぱりA先生とカルエゴ先生デキてると思う？｣
｢これ見る限り2%ぐらいその確率がでてきたな｣
｢なー、入間くん。A先生とカルエゴ先生ってデキてんの？｣
ジャズとリードが、前に話した内容を蒸し返し次は入間へとその言葉を投げた。
デキ…？と言葉が理解できない入間は不思議そうな顔をしていたが、ふにゃりと笑う
｢A先生とカルエゴ先生は仲良しだな〜とは思うよ｣
｢仲良しっちゃ仲良しだけどなぁ…｣
そうじゃないんだよな〜となる二人。そこに、鋭い声が割って入った。
｢おい、貴様ら何を話している｣
｢げえっ｣
｢カルエゴは私の事好きだけど、私はカルエゴのことなんとも思ってないよ｣
｢えっ、カルエゴ先生可愛そう｣
Aが巫山戯た口調でその3人に混ざった。
｢…貴様｣
｢あっ嘘！ごめん！私もカルエゴくんのこと好きだよ！うん！｣
｢そっちじゃないわ！！｣
カルエゴの怒り声が教室に響いたのだった。
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作者名：野崎 | 作成日時：2020年1月31日 4時
