【魔入りました!入間くん】日々謳歌 (ページ2)

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2話ページ2

｢いいか、まずお前がすることは一つ。その適当な服を着直せ｣

Aを暫く引き摺っていたカルエゴは、ある一室の前で足を止めその中へとAを放り込んだ。

部屋にはご丁寧にきちんとした規則通りの上着ときちりとしたブロードシャツが置いてあり、わざわざそれ等はカルエゴが用意したのである。

｢いつも言わない癖に変なアプローチし始めなくてもいいよ？無理しちゃダメだって｣

そこまでして私と二人っきりになりたかったなんて…とまるでカルエゴがAと2人きりになりたいが為に無理に突っかかったかのように喋り始めるA

その言葉を聞き、額に青筋を浮かべながらもカルエゴは静かに口を開いた。

｢いいか、お前が今から出席するのは新入生の為の入学式だ。そして、その進行役を任されたのがこの私。つまり、お前のように規則が守れていない教師が並ぶということは私の不行き届きになる。わかるか？お前のその乱れた服装のせいで、“私の”評価が下がるのだ。分かったらさっさと着替えろ｣

｢相変わらず生真面目だねぇ…｣

長々と構文を述べるカルエゴを見ながら昔からちっとも変わらないなぁと懐かしんでいた。

経験論、こういう時のカルエゴはAがきちんと服を着るまで目を離さないだろう。

このかっちりとした首元まで襟のある服、普通に重たくて動きにくい上着。どれをとっても“自由”が大好きなAにとっては邪魔な足枷だ。

一応用意してくれたのだと着たはいいが、最後のボタンを止めるのを渋る。

一応はAを女だと思っているのか着替えが見えないよう後ろを向いていたカルエゴがAの行動が止まったことに気がつき振り向いた

｢ボタンは止めなくてもいい。もともと中の服の規定は無いしな。その正しい服装ならば最後のボタンを止める必要も無い｣

｢…やだ優しい、ほんとにカルエゴ？｣

｢…最後までボタンを止めろ｣

｢嘘嘘嘘嘘、感謝の気持ちでいっぱいです｣

｢はぁ、早く上着を着ろ。そろそろ集まらなければ時間が過ぎる｣

こういう事は気が付いて気が回るんだけどなーんでそれが普段は発揮されないのかね〜と思いながら、Aは上着に袖を通した。