Snow JUMP

dt×kt　☆ ページ11

宮館side


　特にすることもなくなった日曜日の午後。




　もう本格的に寒くなったかと思ったら久々に暖かい。




　…今日は、甘めにしよっかな。
　



　棚から瓶詰めした茶葉を取り出す。




　湯気と共にほんのり紅茶の香りが漂う。




　俺は、２つのマグカップを手に圭人を探す。




宮｢…圭人｣



岡｢ん？｣




　圭人はベランダの小さな椅子に座っていた。




宮｢どーぞ｣



岡｢ありがとう｣




　俺も、隣の椅子に腰掛ける。




岡｢ん、正解だ｣



宮｢え？｣



岡｢最近のお気に入り｣




　そう言ってふわりと笑う。




　程よくぽかぽかと太陽が照らす。




　俺はそばにあった膝掛けに手を伸ばし、圭人に渡した。




　圭人は膝掛けを広げると、椅子ごとズルズルと移動して俺の足にも掛けてくれる。




　そのまま、何もしないゆっくりとした時間が流れた。




…




　気付けば風はひんやりとしていて、遠くの空はオレンジ色に染まっていた。




　肩に温もりを感じ、隣を見ればふわふわの髪。




　…二人揃って、寝ちゃってたんだ。




　圭人の頬を触れば少し冷えて冷たい。




宮｢圭人、起きよ？｣



岡｢…ん、、あぁ、寝ちゃったね｣



宮｢ね｣




　しばらくボーッと前を向く。




　……




　空と一緒に染まっていく。




　音こそは聞こえないけど、俺と圭人は知っていた。





　俺たちは、ここから見える海が大好きだ。

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