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私が偶然中庭を通りかかると、作業中のひとらんらんに出会う。
寂しい、と言った彼はぷくっと頬を少しだけ膨らませていて、成人男性の割にはとても可愛らしく見えた。
｢ねえ、この花も薬草？｣
｢ああ、それはノアザミといいます。根の部分が、神経痛に効くんですよ｣
｢へえ。｣
彼の中庭には、本当に色んな植物が育てられている。季節に関係なく咲いている花は、売り出せば高値がつくに違いない。
彼はノアザミをジッと見て、ふわりと風に揺れる様子を見つめていた。
｢ずっとただの花だと思ってたのに……、人を助けるんだね、お前は｣
｢こっちのユウゲショウも薬草なんですよ｣
｢…あれ、オシロイバナじゃないの？｣
｢それが_____｣
ユウゲショウとオシロイバナの説明をしようと思ったその時、中庭の奥の通路で、割と大きめの話し声が聞こえる。
誰だろう、とそちらに目を向けると、見覚えのある男性3人が楽しそうに笑みを浮かべながら会話していた。
｢シャオロン達だ。コネちゃんいないから静かだね｣
｢ああ………｣
彼は私に対して静かなので、彼らと混ざると騒がしいのを忘れていた。
苦笑いを浮かべながら、彼らから目の前の花に視線を戻そうとしたが、イテッと誰かが痛そうに声をあげた。
｢やっべ………、切ったかな｣
｢おいチーノ〜〜。ダッサ！！｣
｢うるせぇ！！…え〜、なんかズキズキする｣
｢消毒しにいく？｣
｢いや……ええわ。こんだけで消毒とかダサすぎるやろ｣
アハハ、と笑いながら棘で切った傷のある手をひらひらさせている。
私は何で切ってしまったんだろう、と彼の付近になんの植物があるかを見た。
すると、あまり見覚えのない植物が彼の傍にあった。
センダンの木かな、と思ったがそれにしては背が低すぎる。
私はなんだか嫌な予感がして、彼らのいる方向に走り出した。
｢え、A？どうしたん？｣
｢あれ、ひとらんもおるやん｣
私は彼の傍にあった植物に駆け寄って、ジッと観察した。
そこで本で見た植物の記憶を辿り、目の前にある植物の名前を思い出す。
チーノは私を怪訝そうな顔で見つめていた。
｢…………………あ｣
常緑高木の項目で記憶を辿った。
すると、これは覚えておこうと思っていた記憶の引き出しにたどり着く。
恐らく、これはオオミフクラギという木だ。
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味噌かつ - Twitterフォローさせていただきました！いつも繰り返し見てます！神作だと思ってます！素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月14日 20時) (
レス) @page46 id: ed221277ea (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 柊木さん» ありがとうございます..！！そうおっしゃって頂けて嬉しいです(TT)良かったです！もっと考察出来るような深い作品に出来れば良かったのですが、自分の技量ではそうもいかず、、今後もそうおっしゃって頂けるよう頑張ります！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 白夜ちんさん» いや、彼らをそう仕立て上げた裏の支配者は私です・・・(？)是非そうしてやってください！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柊木(プロフ) - すごく考察に入りたいレベルで好きです…。勝手にスパイの目星をつけて楽しんでます！ 本当に面白くて好きです！ (2021年3月12日 0時) (レス) id: 98823b925f (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - 夢主ちゃん？！？！ (2021年3月11日 14時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月3日 11時
