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彼は再び鉄パイプを振りかざし、私の頭めがけて力いっぱい振り抜く。それが私に直撃するまで、コンマ数秒の出来事だった。
しかし、私にはそれがスローモーションで時が流れていた。ああ、直撃する_______、と思った矢先私は後方から聞こえる2人の呻き声に体が反応して、気が付けば部屋を飛び出していた。

異様な速さに彼も驚いて追いかけてくるが、距離は離されるばかりで私のスピードに追いつけていない。



「っクソ、シャオロン後ろ!!!!」
「あ?」



なんだ、と彼は煩わしそうに振り返った。

私は川田の胸ぐらを掴んでいるシャベルの男の肩に触れ、そのまま服を掴み宙に放り投げた。
放り投げられた男は驚いて目を丸くし、受け身の体制をとるが上手くいかずナイフの男に体当たりする。

2人まとめて倒れた隙に、私達も目を丸くしながらも走り出す。




「Aめっちゃ強いじゃん、怖」
「いや………、やりすぎじゃない?これは」
「あの人達もビックリだろうな。まあさんきゅ、助かった」
「でも、これ効果時間どれくらいだっけ…?」



今は(ほぼ)無敵といっても過言ではないが、肝心の効果時間を記している説明書を忘れてきた。
これは万が一の時の為に使う薬だった為、そこまで配慮が行き届いていなかった。

普段の私は、お世辞でも喧嘩が強いと言えたものではない。なんなら身体能力は並以下である。だというのに、軽々と筋肉のついた男性1人を投げ飛ばして見せた。
実際に試飲して実験したことはなかったのでどれ程の効き目か分からなかったが、薬の効果は十分理想に近い。



「で!出口どこだよ一体…。広すぎんよこの城」
「二手に分かれるのは危険だしな」
「でも見つかれば一網打尽ですよ」
「…………まっ、てください」



4つに分かれた扉は、どれも同じ形をしていた。

私は耳を澄まし、扉の向こうの様子を思い浮かべる。聞こえてくる僅かな音を拾い、出口に繋がる扉を探す。

____油の弾ける音。調理室だろうか。
____剣のぶつかり合う音。訓練所だろうか。
____そよ風が吹いている、音。ここか・・・・・?いや、違う



「ここだ」



私が勢いよく開けた扉の向こうには、通路が繋がっていた。ザザっと荒々しい風の音しか聞こえない、扉の向こう。

そして、正門とは違い普通の非常口のような扉がそこに存在している。
ガチャりとドアノブをひねると、すぐに城の外に出れるようになっていた。

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宇琉夜ハル(プロフ) - 後 side ほしいです (2021年4月30日 19時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 後名前がわかったら zm「あ」 見たいなん欲しいです (2021年4月30日 19時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 出来れば夢主のセリフ『』こうしてください 時間があればでいいんで (2021年4月30日 18時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 晴さん» それは良かったです!!ありがとうございます!めちゃくちゃ遅れましたが見てますよ!!!頑張ります!!! (2021年2月21日 20時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 通りすがりの亀さん» 最初はその予定でしたが、主人公が後悔することのないようにヘイトを向けさせて上層部をクズに仕立てあげました(^^ ありがとうございます!頑張ります!!! (2021年2月20日 21時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月31日 9時

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